現状AppleのApp Storeにみられるようにアプリストアがモバイル戦略の中核にあるが、そうした過程の中でChromeのようなWebブラウザ環境が重視され、「Androidアプリ」から「共通のWebアプリ」へとシフトいくのかもしれない。
とはいえ気になる次のAndroidとNexusアップデート
イベントでの発表がなかったとはいえ、Androidの改良は続いており、次期アップデートも間もなく登場するといわれている。その噂の1つが「Android 4.3」に関するもので、The Vergeがスクリーンショットとともにその存在を示唆しているほか、6月10日に4.3を搭載したNexus 4のホワイト版とともに提供が開始されるという噂を紹介しているサイトもある。The Vergeの記事はGoogle I/Oの基調講演前に公開されたものだが、ここではBluetooth Low Energy (「BLE」あるいは「Bluetooth Smart」)やOpenGL for Embedded Systems 3.0への対応がうたわれている。
AndroidのBluetooth Smart対応についてはBluetooth SIGでも「今年後半での対応」を公式に報告しており、仮にAndroid 4.3がこのタイミングでリリースされなかったとしても、いずれかのアップデートで間もなく対応してくるものと思われる。Bluetooth SmartはBluetooth 4.0以降のプロファイルに含まれるもので、バッテリ駆動の小型組み込み機器、例えばセンサー型デバイスやスマートウォッチなど、いわゆるウェアラブル機器等での利用を想定している。その意味で重要なアップデートとなるだろう。
なお、Android 4.3については「Jelly Bean」の延長となるもので、次期主力アップデートといわれる「Key Lime Pie」は「Android 5.0」を冠して登場するのではないかといわれている。すでに古い記事であるため話の半分は「噂が噂で終わってしまっている」のだが、TechRadarの記事である程度情報が整理されている。実際のところ、Androidの次期メジャーアップデートはしばらく発表されず、早くても今年の秋以降という線が濃厚だろう。これまでAndroidが半年~1年単位でメジャーアップデートを行っていたことを考えれば、Android 4.1 Jelly Beanが発表されたのが昨年2012年6月で、少し間隔が空くことになる。筆者がAndroidの積極的なバージョンアップが一段落したと考える理由の1つだ。
過去のAndroidバージョンアップが急だったという理由もあり、現在では機種ごとにOSバージョンが極端に異なるという「フラグメンテーション」状態が開発者にとっての負担増問題となってのしかかっている。これを解決する目処は現在のところなく、ある意味でハイエンドからローエンドまでAndroidの多様性の象徴ともなっている。Googleは今後もAndroidの改良を続けていくとしており、実際に高速化や周辺機器サポート面での進展は今後も続くだろう。一方でKey Lime Pie登場でも、ローエンドデバイスがAndroid 2.xのバージョン番号で偏っている現状は変わらないと思われ、こうした層をいかにフォローしていくかが、AndroidチームならびにGoogleにとっての今後の課題となるはずだ。
また今回発表されなかった新型Nexusについて、タブレットのNexus 7については第2世代の製品が数ヶ月内にも登場するという噂がある。スマートフォンでは5インチディスプレイを採用した「Nexus 5」や「X Phone」の噂があったが、Nexus 5については「開発者向けGalaxy S 4」がディスプレイ的に同サイズであり、いまあえて出すメリットは薄いと考えられる。もう1つのMotorola X Phoneについては、現状ではNexusのような位置付けではなく、あくまで独立した製品であると考えられつつある。すでにFCCのサイトに「XT1058」の名称で登場したという話が出ており、これが事実ならば数ヶ月内にも正式リリースされる可能性がある。その場合、搭載OSはAndroid 4.2または4.3のJelly Beanということになるだろう。