先日、次期iOSで新デザインとユーザーインターフェイスが採用され、その総指揮を同社デザイナーのJonathan Ive氏が行っているという話を紹介したが、これが同ソフトウェア提供の遅れにつながっているとの噂が出ている。プレビュー版が6月のWWDCで公開され、正式リリースは9月になるとされているが、開発にはMacチームからの増援も受けるなど、猛ラッシュで間に合わせに動いている様子もうかがえる。

同件は米Bloombergが報じている。Appleが従来のリアルなアイコンデザインの変更を含む大胆なiOSユーザーインターフェイスの刷新を進めていること、ソフトウェアチームとハードウェアチームを統括してこれらを全面指揮しているのがIve氏であるという2点の話題は、先日の9 to 5 Macでの報道とほぼ共通している。Bloombergの記事で警告されているのは、これが結果としてプレッシャーとなり、スケジュール的にも非常に厳しい状態にあるということだ。

まず、機能や操作面で行き詰まりが見えつつあるiOS全体のオーバーホールを行いつつ、新しい"何か"を盛り込むというミッションに加え、前回のiOS 6での地図問題のような過ちを繰り返さないことがプレッシャーとして開発チームに大きくのしかかっている。これを以前までのSteve Jobs氏のようにチーム全体をコントロールしているのがIve氏というわけだ。

一方でスケジュール的には非常に厳しい状態が見込まれており、現在は6月のWWDCでのプレビューに向けた機能の絞り込みが行われており、最終的には9月のリリーススケジュールに向けた完成を急ぐ形になっている。この場合、以前に噂のあった次期iPhoneの夏期リリースというタイミングに次期ソフトウェアの提供は間に合わない可能性が高くなり、このあたりのリリーススケジュールが気になるところだ。また前述のように2007年の初代iOS (当時はiPhone OS)リリース以来となる、Mac OS開発チームから救援部隊が参加しており、iOS開発のテコ入れを行っている状況だという。iOSは過去にもプレビューから3ヶ月以内での正式版リリースというスケジュールを守っており、今回もこれに沿うものとなるが、幾分か厳しい印象を受ける。