……どう考えても30代の男が平日の昼間からやることではないが、Oさんはノリノリだし、仕事の発注が減るのは困るので付き合うことにした。ありえないとは思うが、万が一LINEごっこをやりたい人は参考にしてほしい。

何となくフェンシングを思い出した

Oさんがちゃんと耳まで用意していたことに驚きを隠せない

まずは全身タイツを着用する。絵的にはもうすでにギリギリである。たまにテレビで芸人が全身タイツを着用することがあるが、現実に目の前で見ると違和感しかない。3,000円の全身タイツを着るだけで簡単に非日常を味わえるのはちょっとした発見である。

演劇やコスプレなどでもよく使われるドーラン

肌に何かを塗るという経験自体がほとんどないため妙に緊張した

続いて、よりなりきるためドーランを塗りこんでいく。全身タイツはもちろんのこと、ドーランを塗るのも初めての筆者はやや緊張気味である。何となくでいいだろうと雑に塗っていたら、Oさんから「まだ隙間が空いてるから!」と怒られてしまった。何がOさんをそこまで突き動かすのか、さっぱりわからない。

ということで、白いやつ(ホワイト)と茶色いやつ(ブラウン)の完成である。

白いやつ(ホワイト)と茶色いやつ(ブラウン)

これをLINEのスタンプ用に背景をそれっぽく塗りつぶして加工する。

背景をそれっぽい色にしてスタンプ化する

もちろん正式なスタンプではないので、相手には画像として送るしかない。だから吹き出しがついてしまうのだけど、仕様なので仕方ない。インパクトとしては十分あるのではないかと思う。

さて、これで実写版スタンプ作りは終了! ……と思いきや、Oさんが悩み始めた。

「なーんか違うんだよなぁ」

どうやらイメージと違うらしい。Oさんがスタンプで表現したかったのは、男同士の友情らしいのだ。

「心がこもってないんだよね。特に山田井さんの表情」

「無表情キャラのブラウンを精一杯表現したつもりなんですが」

「迫るものがないっていうか……ぐっとこないっていうか……もっと友情感出そうよ! 得意分野でしょ、"男の友情"に関しては」