次は性能をチェックしたい。最初に見るのはエクスペリエンス・インデックスの数値だ。CPUとメモリに関しては素晴らしいとまではいかないが、書類作成や動画再生、デジカメで撮影したRAWデータの現像なら問題を感じないレベル。ストレージ系が5.9とやや低いが、気になる人はBTOで32GB mSATA SSDを追加するとよいだろう。一方、スコア4.8を記録したグラフィックス性能は弱点といえる。GeForce系列の中でもエントリークラス、Ultrabookにも搭載されるモバイル向けの低クロックGPU「GeForce GT640M」を搭載しているからだ。
次に実用アプリ系での性能をチェックするために、総合ベンチマークソフト「PCMark7」での評価を見てみよう。
■PCMark 7 | |
PCMark score | 3416 |
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Lightweight score | 1808 |
Productivity score | 1293 |
Creativity score | 5705 |
Entertainment score | 3459 |
Computation score | 9548 |
System storage score | 2172 |
PCMark7ではストレージ性能がスコアに強く影響するため、1TB HDDしか持たない今回のテスト機の評価はおのずと辛めになってしまう。SSDキャッシュを搭載したUltrabook(たとえばこれ)よりも総合スコアが低いのはそのためだ。これもBTOで32GB mSATA SSDを追加すると改善できる。
ではグラフィックス性能を最新の「3DMark」を筆頭に、いくつかの3D系ベンチでチェックしてみよう。
■3DMark | |
Ice Storm | 20142 |
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Cloud Gate | 2608 |
Fire Strike | 291 |
■BIOHAZRD 6 | |
1,280×720ドット | 3894 |
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1,920×1,080ドット | 2237 |
2,560×1,440ドット | 1402 |
■MHF大討伐 | |
1,280×720ドット | 1530 |
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1,920×1,080ドット | 774 |
2,560×1,440ドット | 459 |
3Dグラフィック性能は全体的に低調だ。特にWQHD解像度での3Dゲームプレイは非現実的。解像度1,280×720pで画質を下げるなど負荷の軽い設定にする必要があるだろう。しかし、3Dグラフィック性能が低いといっても、別に動画観賞がコマ落ちするという感じではないし、ストアアプリ版の軽いゲーム(たとえばFruit Ninjaなど)なら普通に楽しめる。ゲーマーには向いてないというだけで、非ゲーマーあるいはゲームは専用機でプレイする人にとっては普通に使える性能だ。
また、CPUやGPUの温度がどの程度になるか「3DMark」実行中にチェックしてみた。温度計測は「HWiNFO64」を使い、パワーオンから10分後および「3DMark」の全テストを実行し、ピーク温度を計測することにする。
さらに「Watts Up? PRO」でシステム全体の消費電力を、「AR-815」を本体正面30cm位置に置いてファンノイズを計測した(高負荷時の計測タイミングは3DMarkの最後のテスト中)。テスト環境の室温は約20℃、暗騒音は約34dBAだった。
本体が薄くデザインされているため冷却力が限られてしまうが、CPUやGPUの温度は問題ない。このサイズ、この設計からすれば妥当な数値だ。同様に消費電力やファンノイズも最高レベルとは言えないまでも十分に良好な数値といえる。短時間でパワーを絞り出す使い方には向いていないが、中~軽作業中心なら問題なく使えるはず。
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