GoogleのAndroid開発チームの責任者が交代する。13日(米国時間)に公式ブログで同社CEOのLarry Page氏が明らかににしたもの。「Androidの父」と呼ばれる現責任者のAndy Rubin氏(モバイル&デジタルコンテンツ担当シニアバイスプレジデント)については「Googleでの新チャプターに取り組む、これからも不可能を可能にしてくれると期待している」と述べており、Googleで新たなプロジェクトを進めるのではないかと見られている。

Rubin氏は共同創設者として、モバイル機器向けソフトウエア/サービスを手がけるDanger (2008年にMicrosoftが買収)を成功させた後、2003年にAndroidを共同で設立。2005年にGoogleがAndroidを買収したことが、今日のAndroidプラットフォームにつながる。

Page氏のメッセージはまず、2004年に初めてAndroidを耳にした時に、モバイルOSを公開するというRubin氏のアイディアを「真剣に受け止める人は少なかった」と振り返ることから始まっている。それが今では、世界で最も使われるモバイルOSになった。アクティベートされたAndroid端末は7億5000万台を超え、Google Playからのアプリダウンロード数は250億件を突破した。Rubin氏のアイディアを疑う声は霧散し、Androidは成熟期を迎えようとしている。

Andy Rubin氏(モバイル&デジタルコンテンツ担当シニアバイスプレジデント)

Sundar Pichai氏 (Chrome & アプリ担当シニアバイスプレジデント)

次のAndroidチームの責任者は、現在Chrome/Chrome OS開発を率いているSundar Pichai氏 (Chrome & アプリ担当シニアバイスプレジデント)が兼任する。Page氏は人事の狙いを具体的に説明していないが、Pichai氏の兼任はAndroidの次のステップへの布石である可能性は高い。かねてからSergey Brin氏などが、いずれモバイルでもWebアプリの役割が大きくなると予測し、AndroidとChrome OSを融合させる可能性も示唆していたからだ。

13日は、5月に米サンフランシスコで開催するGoogle I/O 2013のチケット発売日だった。チケットは1時間とかからずに完売。それにタイミングを合わせるようにPage氏のメッセージが公開されており、今年のGoogle I/OでGoogleがAndroidおよび同社のモバイル事業の新たな方向性を示すのではないかという期待が高まり始めた。