NTTドコモから2013年春モデルとして投入される、LGエレクトロニクス製のスマートフォン「Optimus G Pro L-04E」は、5.0インチのフルHDディスプレイ、1.7GHzクアッドコアCPU、ワンセグ、おサイフケータイなどを搭載したハイスペックモデルだ。加えて、ドコモが春モデルとして発表した5インチディスプレイ搭載モデルでは最大容量となる3,000mAhのバッテリを搭載。長時間駆動を実現している。

本稿では、2013年春の本命モデルのひとつとなるOptimus G Proについて、詳しく紹介していきたい。新たにスマートフォンの購入を検討している人はぜひ一読いただきたい。

Optimus G Pro L-04E

サイズは約70(W)×139(H)×10(D)mmで、重量は約160g。OSはAndroid 4.1を採用。カラーはPlatinum White、Indigo Blackの2色。発売日は4月上旬の予定となっている

まずは仕様をおさらい

2013年1月に米国のラスベガスで開催されたIT/デジタル関連イベント「CES 2013」では、5インチクラスのディスプレイを搭載したスマートフォンが数多く登場した。現在、世界中で大型ディスプレイを搭載するスマートフォンがトレンドとなっている。

そんな中、Optimus G Proも5.0インチディスプレイを採用した。しかも、フルHDサイズ(1080×1920ドット)のIPS液晶を搭載し、高輝度、広視野角、自然な色味の表示を実現。「ディスプレイの美しさ」という点で、他のスマートフォンとの差別化を図っている。

注目したいのは、ガラス面に直接タッチセンサーをプリントし一体化したというLGの新技術。これによりガラス面と液晶部分の薄型化を実現し、さらにタッチの感度も向上した。「指先で直接グラフィックに触れているような感覚」で操作が行えるという。この感触は、是非実機で体感していただきたい。

搭載する5.0インチのIPS液晶は、新技術による薄型化と性能向上がはかられている

ディスプレイが大型化すると、気になるのはバッテリの持ちである。Optimus G Proはこの”駆動時間”にも配慮して開発されている。

前述の通りOptimus G Proは、NTTドコモ2013春モデルの中でも最大容量となる3,000mAhのバッテリを搭載。加えて、プロセッサには省電力コアを搭載する1.7GHzのクアッドコアCPU(APQ8064)を採用。待ち受け画面など、重いタスク処理を必要としない際には省電力で運用できるようにした。さらには、60分で1,200mAh以上の充電ができる「急速充電」にも対応。バッテリが切れた際にスムーズに充電できるよう配慮している。

このようにOptimus G Proは、高精細な大型ディスプレイ、充実した機能を備えながら、駆動時間にも配慮された端末となっているのだ。

大容量3,000mAhのバッテリを搭載し、急速充電にも対応。また、オプションとして充電機能付き卓上ホルダ(別売り)も用意されている

このほか機能面では、約1,320万画素(メイン)と約240万画素(サブ)のCMOSカメラを搭載。ビデオ撮影時に、撮影者と被写体を同時に録画することができる「デュアルレコーディング機能」、録画時に被写体をズームするとズーム対象の音声を拡大して聴くことができる「オーディオズーム機能」など、多彩なカメラ機能が利用できる。

背面には約1,320万画素のCMOSカメラを搭載(写真左)。パノラマ撮影や高速連写などにも対応する。ビデオ撮影時に露出を自動調整する「Wide Dynamic Range」も利用可能

前面には約240万画素のCMOSカメラを搭載(写真左)。背面の約1,320万画素CMOSカメラと同時に録画できる「デュアルレコーディング/プレイバック」機能に対応する

LGオリジナル機能に注目

ユーザーインターフェースは、ドコモのサービスが利用しやすい「docomo Palette UI」とLG独自の「Optimus UI 3.0」のどちらかを選択できる。Optimus UI 3.0ではオリジナルのエフェクトを楽しめるロック画面が利用できるほか、ユーザーの好みで表示アプリの調整やフォルダ管理、アイコン画像のサイズのカスタマイズなどが行える。

ユーザーインターフェースは「docomo Palette UI」「Optimus UI 3.0」が選択可能

このほかにも、Optimus G Proには便利な独自機能がいくつも搭載されている。利用シーンとともにこれを紹介しよう。

「Q Slide 2.0」は、複数のアプリを同時に表示する「ながら操作」ができるという機能。Webサイトを閲覧しながらチャットをしたり、カレンダーで予定を見ながらメモ書きするなどの操作が行える。例えばブラウザをポップアップ画面で立ち上げれば、TwitterやLINEをしながらネット検索などが行える。

「Qトランスレーター」は、翻訳したい単語や文章をカメラで撮影すると自動で翻訳される機能。海外旅行などで便利に使えるだろう。「Qリモート」は、テレビなどのAV機器やエアコンなどの家電製品をOptimus G Proでリモコン操作できる機能だ。

「Qメモ」機能は、いつでもディスプレイに手書きメモが残せるというもの。例えば音声通話中に電話番号を控えておきたいときなどに使える。Webサイトでお気に入りの商品を見つけた際など、簡単なコメントと一緒に画面をキャプチャしておけば後から見直すときにも便利だろう。

「LG Tag+」は、NFCを搭載したタグステッカーを使ってOptimus G Proの設定を簡単に行うことができる。Wi-FiやBluetooth、明るさの調整、画面の自動回転、音楽プレイヤーなどの設定をあらかじめTagへ書き込んでおけば、Optimus G Proをかざすだけで設定の変更を行うことができるようになる。

XiやNOTTVなどにも対応

Optimus G Proはこのほか、NTTドコモのLTE通信サービス「Xi」にも対応。800MHzの周波数帯をサポートし、受信時最大100Mbpsの高速通信が可能だ(2013年1月末時点で、対応エリアは北海道、東北、信越、北陸、中国、四国、沖縄の一部)。もちろん、Wi-Fiテザリング機能も利用でき、最大で8台のWi-Fi対応危機を同時に接続できる。さらに、携帯端末向けマルチメディア放送(モバキャス)「NOTTV」の視聴にも対応する。

高精細な5インチの大画面により、NOTTVなどの動画コンテンツも迫力の映像で楽しめる

さらに、日本向け携帯電話の"三種の神器"と呼ばれている、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信も利用できる。これまで、これらの必須機能が利用できないため、海外スマーフォンを敬遠してきた人もOptimus G Proであれば安心だ。

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Optimus G Proは、本稿で紹介した通り、ハイスペックモデルでありながら、長時間駆動を実現したスマートフォンだ。「ドコモの2013年春モデルの中でも1、2を争う完成度」と言っても過言ではないだろう。

同製品の発売は4月上旬を予定している。スマートフォンの購入を検討している読者は、ぜひ最寄りのドコモ販売店などで実機に触れ、そのパフォーマンスを体感してほしい。