機能面でのいちばんの注目ポイントは、AFセンサーに上位モデル「D7000」と同等となる「マルチCAM4800DXオートフォーカスセンサーモジュール」を新搭載したこと。測距点は前モデルの11点から39点へと大きく強化され、そのうち中央部の9点は高精度なクロス測距に対応する。

AFスピードはスムーズで快適だ。動きのある被写体や多少薄暗いシーンでも、狙ったポイントに対して吸い付くように素早くピントが合う。使っていて心地よく感じる部分だ。AFエリアモードは、39点から好きな1点を選べる「シングルポイントAF」のほか、選んだ1点とその周辺のポイントによって測距を行う「ダイナミックAF」、構図の変化に応じてAFポイントが自動で切り替わる「3D-トラッキング」、39点から自動で測距点が選ばれる「オートエリアAF」の4モードから選べる。

レンズマウントには「ニコンFマウント」を採用。実撮影画角は焦点距離の1.5倍での画角に相当する

ファインダーには、視野率が約95%で倍率が約0.78倍のペンタミラーを装備する

シャッターまわりのメカニカル駆動制御が改良されたことも見逃せない。これによって連写の最高速度が前モデルの4コマ/秒から5コマ/秒にスピードアップした。また、ライブビュー撮影の際には、内部のミラーをアップしたままシャッターを切ることが可能になった。前モデルではライブビュー撮影の際、シャッターを切ると同時にミラーが上下に動き、その作動音と振動が気になったが、これが解消されたのだ。

電源にはリチウムイオン充電池を採用する。CIPA準拠のバッテリ寿命は約500コマ

天面のモードダイヤルの横にある「LV」スイッチを回すとライブビューが起動する

惜しいのは、ライブビュー撮影時のコントラストAFのスピードには目立った進化はなく、ピントが合うまでに少々待たされること。また、レリーズ直後に液晶モニターの表示がブラックアウトする時間が長めなことも気になる。このあたりはミラーレス一眼に比べるとやや見劣りする部分だ。ちなみに、本モデルに限らず、多くのデジタル一眼レフ機のコントラストAFはあまり実用的な速度とはいえない。その主な原因は、ミラーレス一眼のようにコントラストAF用に最適化されたレンズではなく、あくまでファインダー撮影時の位相差AF用に設計されたレンズを使用していることが大きい。

ライブビューは静物や風景の撮影用と考え、動きのある被写体を撮る場合は、AFが快適に作動する光学ファインダーを使用するのがオススメだ。

ライブビューは、ホワイトバランスの状態など色味を確認しながら撮影できる点が便利だ。絞り優先AE(F8 1/200秒) ISO100 ホワイトバランス:曇天 ピクチャーコントロール:ビビッド 焦点距離:55mm レンズ:「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」(オリジナル画像を見る)

ホワイトバランスの設定を「電球」に切り替えて撮影。絞り優先AE(F8 1/200秒) ISO100 ホワイトバランス:電球 ピクチャーコントロール:ビビッド 焦点距離:55mm レンズ:「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」(オリジナル画像を見る)