ローンチ当時からの積極的な商品展開で話題となった「Nikon 1」シリーズ。その最新作「Nikon 1 V2」がついに登場した。存在感を誇示するEVFユニット部、力強くホールドせよと誘うグリップ。だが、前作V1のカジュアルなスタイルから本格派へとシフトしたのは、その風貌だけではないようだ。では、その進化した実力を見ていこう。
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大きくせり出したファインダーとグリップは、Nikon 1 V2のキャラクターを顕著に物語っている。つまり、しっかりと握ってEVFを覗いて撮ってほしい、ひいては一眼レフが得意とするような動体の撮影にも積極的に挑戦してほしい、と主張しているのだ。
約144万ドットの0.47型TFT液晶カラー液晶ビューファインダーこそ「Nikon 1 V1」と同様のスペックながら、センサーの画素数はV1の1,010万画素から1,425万画素へ拡大。AFのポイント数についても、画面内15×9カ所の135点(!)をフォロー(シングルポイントAF時)するコントラストAFを搭載、なおかつ中央73点は動体の撮影に最適な位相差AFとしても働く。AFポイント数の単純な比較では、同社一眼レフを大きく凌ぐ性能だ。
小さくなければミラーレスの意味がない、というニコンの主張が聞こえてきそうなコンパクトボディ。だが、ダイヤルやボタンなど各所の質感は非常に高い |
EVFは想像以上に大きくピントの山も見やすい。コマ速が遅いので、カメラを大きく動かすと少々目が疲れるが、そんなときはシャッターボタンを半押しするとコマ速が速くなるぞ。EVFユニット上にはアクセサリーシューを装備 |
シャッターボタン付近のさりげないアンジュレーション(うねった形状)が、実は大きな見どころ! この形状のおかげで、指の置きやすさ、使いやすさが飛躍的に向上している |
撮像素子は13.2×8.8mmの有効1,425万画素CMOSセンサー。フォーマットはニコンCXフォーマットで、マウントはNikon 1マウント。焦点距離は35mm版換算でレンズ表記の約2.7倍に相当 |
このコントラストAFと位相差AFはシーンに合わせて自動で切り替わり、ユーザーが特にそれを意識せずとも、カメラが撮影環境に応じた最適な合焦をおこなってくれる。なお、AFエリアを「オートエリア」にした場合、AFポイントは41点となる。
なお、今回、動体撮影ではフォーカスモードを「コンティニュアスAF」に、AFエリアモードを「ターゲット追尾」に設定した状態でも撮影してみた。動体追従性は素早く高精度。駆動音は限りなく無音に近い。ミラー駆動がないという特性を最大限に生かした「サイレント撮影」と合わせて、鳥や動物を狙う場面、あるいは劇場での撮影などで大きなアドバンテージとなるだろう。ちなみに、動体を撮影する際には、撮影後のプレビューをOFFにしておくことを忘れずに。EVFに撮影後プレビューが表示されると、引き続き被写体を追い続けることができなくなってしまうからだ。