Microsoftとの関係

2011年にNokiaはMicrosoftと広範な提携関係をスタート、両社の地図サービス(Nokia Maps、Bing Maps)においても基盤の統合や技術的な連携を進めることが発表されている。今年5月には、Nokia Mapsが持つ欧州を中心とした24か国における渋滞情報やジオコーディング技術を、Bing Mapsに提供する計画も明らかにされた

Nokia Mapでは、日本向け地図サービスはほぼ提供されていない状況だが、Bing Mapsはデザインを一新するなどサービス改善を続けている。Bing MapsのサービスはiOSデバイスで利用すると、日本の地名を検索できないなど不便な状況はあるものの、Microsoftも体制を整えつつある。サードパーティーがBing Mapsのサービスを活用したアプリケーション開発を進められるよう「Bing Maps API」を提供しているうえ、iOS向けに「Bing Maps Control for iOS」を用意したことが、その実例だ。 交通機関や公共施設、住所などの情報に緯度・経度を結びつける技術(ジオコーディング)において、Nokiaは長年の経験に裏付けられたノウハウの蓄積もあり、データの調達先とその品質が固まれば、日本など現在カバーしていない地域も比較的早い段階でサポートされる可能性がある。NokiaとMicrosoftが"マップ技術の相互乗り入れ"を促進すれば、ここ日本も欧州に近いサービスレベルに到達できるはずだ。

Nokia Mapsの後継にあたる地図・ロケーションサービス「HERE」。欧州の大半のエリアは詳細な地図データが蓄積されている

iOS版SafariでHEREにアクセスし、ウエストミンスター寺院付近の渋滞情報を表示したところ

HEREで東京駅付近を表示したところ。マップデータはないに等しい状況