iPad miniの第一印象

11月2日の昼過ぎ、オンラインのApple Storeで予約購入していたiPad mini(Wi-Fiモデル/32GB/ブラック&スレート)が到着。各種のテストへ進む前に、実際にiPad miniを使い感じたことを、そのまま書き綴っていきたい。

セオリーどおり、Apple Storeからは段ボール箱に入れて送られてきた

パッケージングは、従来のiPadを裏切らないものだ。白いB5サイズ大の箱を開ければ、そこにはフィルムに包まれたiPad miniがジャストサイズで収まっている。それを取り出すと、数枚の紙片やアップルロゴのシールが収められた紙の束が現れ、それをめくればLightning-USBケーブルとUSB ACアダプタが見える。サイズが変わろうとも、Apple製品ならではの「儀式」は健在だ。

箱を開けると、やはりセオリーどおりフィルムに包まれてiPad miniが鎮座していた

付属品はLightning-USBケーブルとUSB ACアダプタ、そして紙片数枚とシールが収められた紙束のみ

フィルムを剥がし手に載せた第一印象は、「軽い」よりも「薄い」だった。iPad miniを持つときには、まず左端を指先でつまんで持ち上げ、それを中指と薬指の上へ滑らせながら手のひらに載せる形になるからだ。従来のiPadは、指先でつまんで持ち上げるには重く、そのような手順で手のひらに載せることは不自然だが、iPad miniではそれを無意識に行えるほどのサイズと重量ということだ。

電源をオンにして数十秒待つと「iPad」の文字が。「mini」とは表示されなかった

初期設定完了後のホーム画面。スクリーンショットだけ見れば、iPad 2とほとんど変わりはないはず

しかし、Apple IDの入力やiCloudの設定などを済ませ、すでに第3世代iPadで見慣れたiOS 6のホーム画面が現れると、高揚していた気分は若干低下傾向に。はっきりと、画面に粒状感を覚えてしまうのだ。iPad miniの画素密度は163ppiと、初代iPadおよびiPad 2を上回るが、それでも画面の端々に(特に日本語フォントに)ザラリとした印象を受ける。これは、第3世代iPadとの比較というより、iPhone 4/4S、そしてiPhone 5と、「手のひらサイズのRetinaディスプレイ」を2年以上使い続けていることに起因するのだろう。

iPhone 4以降のRetinaディスプレイに慣れた目には、表示に多少の粒状感は禁じえない

そうつらつら思いながら、「Safari」でWebブラウジング、「カレンダー」でiCloudのカレンダーをチェック、「写真」でフォトストリームにストックされた写真を鑑賞……とふだんの作業を30分ほど続けたところ、閃きが走った。これはなかなかいいのではないかと。

原因を考えたところ、手首に疲労感がないことに気がついた。そういえば、歴代iPadでは5分ばかり片手で支えていると、姿勢を変えたくなるが、iPad miniではさほど違和感はない。片手でもしっかりホールドできるので、バランスを崩し落としそうになることもない。確かに、写真の精細感はRetinaディスプレイには一歩も二歩も譲るが、サクサクと写真を捲ることができる。

思うに、iPadほど実際に利用して印象が変わるデバイスは珍しい。利用するといっても、5分や10分といった"触れる"レベルではなく、せめて数日は継続利用しないことには、その"フィット感"は理解できないだろう。iPad miniもれっきとしたiPadの一員、到着してから数時間で結論を出すことは難しい。

第3世代iPadにiPad miniを重ねたところ。大きさも確かに違うが、実際に手に持つとより鮮明に感じるのは重さの違いだ

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