iPad miniが発表されたときから、気になっていたことがいくつかある。ベンチマーク測定など細かいテストへ進む前に、製品が到着したら自分で確認しようと考えていたことを、この場を借りて検証および報告してみたい。

意外にいい「ステレオスピーカー」

iPad miniにステレオスピーカーが搭載されている、というニュースを耳にしたのは数日前。執筆中は、外部の音を遮断する目的で音楽をかけ続けていることが多く、ヘッドフォンやスピーカーにはそれなりのこだわりを持っているが、iPadやiPhoneに内蔵のスピーカーを使わないわけではない。ヘッドフォンの側圧に疲れたとき、深夜など音量を控えたいときには、簡易なスピーカーで波の音などを流すことも多いのだ。

開封後、Lightningコネクタ付近を見てみると、確かにスピーカーとおぼしきパンチメタルが2カ所ある。本当にステレオスピーカー? iPhone 5のように、片方はマイクという可能性もあるのでは? そう思いながら音楽を再生すると……これは! 左右の距離が近いためステレオ感は乏しいが、確かにステレオスピーカーだ。実際、左右片方づつ塞ぎながら音楽を再生してみたが、どちらのパンチメタルからも音が聞こえてきた。

その音質だが、それほど悪くない。もちろんサイズなりの音だが、テーブルの上に置いて鳴らすと、それなりの説得力で聞かせてくれる。なにか音がないと寂しいから軽くBGMでも、という用途にはじゅうぶん使えるのではないだろうか。

Lightningコネクタを挟むように、ステレオスピーカーが配置されている

若干不安な「Camera Connection Kit」

デジタル一眼レフカメラのフォトビューア代わりに利用できるか、ということも気がかりだったことのひとつ。Lightningコネクタ採用のiPadは初めてなので、これまで利用してきた「Camera Connection Kit」が「Lightning-30ピンアダプタ」経由で認識されるのか、不安があったからだ。

結果は……あっけなく認識され、「写真」が起動してSDカード上の写真やビデオが画面に現れた。インポート処理も支障なく、従来のiPadとまったく変わりはない。Retinaディスプレイの精細感は期待できないが、iPadならではの速度で拡大表示することも容易なため、ピンボケのチェック程度には役立つだろう。

とはいえ、「Camera Connection Kit」と「Lightning-30ピンアダプタ」の2段重ねはいかにも不安定。SDカードがはみ出す部分も含めれば、約6.5cmがiPad miniから飛び出すわけで、そこをうっかり動かそうものならLightningコネクタ部分が曲がりかねない。緊急時以外には使いたくない、というのが筆者の感想だ。

「Lightning-30ピンアダプタ」経由で「Camera Connection Kit」をつないだところ。平らな場所でも、あまり使う気にはなれない……

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と、ここまでの機能をチェックしたところでレビュー前編は終了。後編では、ベンチマークテストの結果などもあわせ、さらに深くiPad miniの姿を明らかにしていきたい。こうご期待。

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