幕張メッセで開催されたアジア最大級のIT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2012」にて、パネルディスカッション「進化するパーソナルコンピューティング」が催された。業界のキーパーソンが一堂に会するとあって、多くの来場者が訪れた。
コンバーチブル型のUltrabook、そして第4世代インテルCoreプロセッサ
次世代OS「Windows 8」の登場を月末に控えたこの時期。インテルの宗像氏は、Ultrabookの進化に伴うユーザー体験の向上についてプレゼンテーションを行った。現在、国内では70機種以上のUltrabookが生産されており、年内には140機種以上の製品が市場に登場する見込みだという。そして「今後のUltrabookで1つの大きな方向性を担うものが"コンバーチブルモデル"である」と指摘。これはタブレット端末の携帯性とUltrabookの操作性を両立する製品で、簡単に言えばタブレットにもUltrabookにもなる「変形マシン」と考えればよい。同氏は「コンバーチブルモデルはUltrabookを次の次元へと進化させるだろう」と大きな期待を寄せた。
さらに今後、タッチ機能やジェスチャー機能、音声認識機能など革新的な技術がUltrabookに実装されていくだろうと予測する。そして「このようなUltrabookをさらに進化させるファクターとして、第4世代インテルCoreプロセッサの登場は欠かせない」(宗像氏)とアピールした。この次世代プロセッサは、超低消費電力が追求されているのが特長。第2世代の製品と比べると、約1/20の電力で使用できるという。なお第4世代インテルCoreプロセッサの製品化は、2013年になる予定。
NECは"世界○○"
NECパーソナルコンピュータの高塚氏は、まず一般向けの話題として世界最軽量となる875gを実現したUltrabook、「LaVie Z」を紹介した。LaVie Zは「Ultrabookに革新的なモデルが出現した」と海外でも広く紹介されたという。同社では、これに続くシリーズとして「LaVie X」「LaVie Y」を展開していく予定。どちらのシリーズでも、LaVie Zの"世界最軽量"と肩を並べる"世界○○"という魅力的なフレーズで訴求していく考えだ。高塚氏は「これからも皆さんに感動を与える商品を提供していきたい」と話した。
同社では「スマートフォン/タブレット端末の操作性と従来型PCの操作性には、これまで相いれない"断絶"のようなギャップがあった」と分析する。タッチパネル操作を利用できるWindows 8搭載の新モデルで、操作性のギャップを解消していきたい考えだ。一方、法人向けモデルについては、低消費電力機能によるエコモデルを追求する方針とともに、ビジネスシーンにおいてスピードアップとコストダウンを実現できるタブレットPCにも注力していくという。(参考「CEATEC JAPAN 2012 - タブレットやPCから人工衛星まで幅広い展示のNEC」)
ソニーは「従来のカタチにとらわれないPC」
ソニーでは、従来型のノートPCは今後、消費者市場で販売台数が鈍化すると見ている。そのため、新しい形状のWindows 8搭載製品を投入していく方針だ。萩原氏は、そのフラッグシップモデルとなる2つの新製品を紹介した。
「キーボード文化からタッチパネル文化への転換期をビジネスチャンスととらえて、新しい提案をしていきたい」と萩原氏。スライダーハイブリッドPC「VAIO Duo 11」は、スライド式でキーボードが出現するWindows 8搭載モデル。キーボード部分を折りたためば、11型液晶を備えたタブレットとして利用できる。
テーブルトップPC「VAIO Tap 20」は20型液晶を採用したモデルで、背後に可変式のスタンドを備える。10点マルチタッチに対応しており、複数人で同時に操作できる。ネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne」をはじめとする、他機器・サービスとの連携も深めていく予定だ。萩原氏は「今後もタッチベースのUIでどのようなことができるかを追求し、誰でも直感的に使えて、かつ楽しい製品を作っていきたい」と力を込めた。(参考「CEATEC JAPAN 2012 - 新型VAIOが気になったらソニーブースへ急げ」)
次ページ: 東芝、パナソニック、富士通、日本マイクロソフトが描く未来像 |