スモールアプリが増え、追加も可能に

Sony Tablet Sで搭載されたスモールアプリ。どのアプリ使用中でも、画面に小さなウィンドウで表示して使用中のアプリと同時に利用できることで非常に好評だったが、Xperia Tablet Sでは、スモールアプリの種類が一気に拡充された。

従来用意されていた、「ブラウザ」、「リモコン」、「電卓」に加えて、「レコーダー」、「タイマー」、「メモ」、「クリップ」の4つのスモールアプリが追加された。レコーダーは簡易的なボイスレコーダー、タイマーはカウントダウン式のタイマーでキッチンタイマーの代わりとして活用できる。メモは、キーボードでの文字入力に加え、手書きでメモが取れる機能。そしてクリップは、画面に表示されている情報を切り出して保存する機能だ。もちろん、全てのスモールアプリが、他のアプリと同時に利用できる。

従来同様「スモールアプリ」を搭載するが、種類が一気に増えている

音声を録音できる簡易ボイスレコーダー「レコーダー」。家族へのメッセージなどを録音するなど、伝言板代わりに利用できそうだ

キッチンタイマーのように利用できる「タイマー」。ちょっとした時間を計測するのに便利だ

簡単なメモが取れる「メモ」。キーボード入力でのメモはもちろん、手書きでのメモも書き込める

そして、メモやクリップをさらに活用するためのアプリとして「スクラップブック」も搭載している。これは、メモで作成した内容や、クリップで切り出した画像などを、文字通りスクラップブックのように管理するためのアプリだ。このスクラップブックで特に便利なのが、クリップとの連携機能で、Webブラウザで表示しているページの一部を切り取ったとすると、そのときに表示していたサイトのURLやページ名などもメタデータとして収集し、切り取った画像と一緒に管理される。そのため、後から切り取った画像をチェックする時にも、どこから取ってきたものかすぐにわかるため、非常に便利だ。

さらに、ユーザーが機能を追加できるようになった。例えば、ウィジェットをスモールアプリとして登録できるようになっており、他のアプリを利用しながら同時にウィジェットを表示するといったことができるようになっている。

ところで、スモールアプリに関連する、もうひとつ大きなトピックがある。それは、スモールアプリを開発するためのSDKが公開されるという点だ。これによって、一般の開発者が自由にスモールアプリを開発し配布できるようになり、今後様々な開発者によって、多くのスモールアプリが登場してくる可能性が非常に高い。

スモールアプリ自体は、単機能の、文字通り小さなアプリではあるが、タブレットをより便利に活用できるツールとして、魅力的な存在だ。一部、他社も同様な機能を搭載しつつあるが、ソニーがスモールアプリのSDKを公開することで、標準的な存在として他のタブレットに広がっていく可能性も十分に考えられる。そういった意味で、SDKの公開は英断と言っていいだろう。

画面の情報を自由に切り出して保存できる「クリップ」。気になる情報をどんどん切り出して保存できる。ただし、テレビ画像など著作権保護画面は切り出せない

クリップで切り出した情報を保存・管理するアプリ「スクラップブック」も搭載

このように、クリップで切り出した情報は、自動的にスクラップブックに登録される

切り出した情報には、表示していたサイトのURLやページ名などもメタデータとして収集し、切り取った画像と一緒に管理されるので、後から元の情報を参照したい場合でも安心だ

スモールアプリをユーザーが追加したり、ウィジェットをスモールアプリのように利用することも可能に。さらに、モールアプリ開発用SDKが公開され、一般の開発者が自由にスモールアプリを開発できるようにもなる

豊富な独自アプリや機器連携で差別化を図る

Androidタブレットは、根幹となるOS部分が同一のため、どうしても機器間の差別化が難しい。そういった中で、独自のアプリを豊富に用意するとともに、外部機器との連携や多数のアクセサリーを用意して他の製品との差別化を図っているXperia Tablet Sは、非常に魅力的な製品に仕上がっていると言える。

しかも、実売で40,000円前後からという価格も、十分に競争力がある。確かに、独自アプリがほとんど搭載されない、安価なタブレットも存在しているが、Xperia Tablet Sの独自アプリは、後から揃えられるものではなく、それ自体に大きな価値がある。それを考えると、コストパフォーマンスは十分に優れると言っていいだろう。音楽や映像、テレビをとことん楽しめるタブレットを探している人にとって、現在最も注目すべき製品だ。

【レビュー】ソニーの最注目タブレット「Xperia Tablet S」を試す

前編 - 端末仕様と専用アクセサリーをチェック後編 - 独自アプリや機器連携の使い勝手はいかに?

(記事提供: AndroWire編集部)