米Appleの創業者で故Steve Jobs氏の家に強盗が押し入り、600万円相当の金品を盗んだとして逮捕されたことがわかった。8月14日(現地時間)に英Reutersなどが報じている。逮捕された容疑者は自身が侵入した家がJobs氏のものだったとは知らなかったようで、家内の貴金属やコンピュータ、故人の財布を物色しただけだったという。

Reutersの報道によれば、強盗に入られたのは米カリフォルニア州パロアルトにあるJobs氏の邸宅で、容疑者である35歳のKariem McFarlinが7月17日に押し入った際には家がちょうど改装作業中で、家人が誰もいない状態だったようだ。

パロアルトはもともと地域でも高級住宅が密集しているエリアで、McFarlinが当該の家をターゲットに選んだ際にも「数ある金持ち住宅の1つ」「改装中なので侵入しやすい」程度に考えていたようだが、まさか9カ月前に亡くなったばかりの世界的に著名な経営者の家だったとは思いもしなかったのだろう。実際、盗んだものはJobs氏の運転免許証とクレジットカードの入った財布、貴金属と金目のコンピュータなどだったというから、Appleファンや同氏について知る人にしてみれば、不謹慎ながら「もっと価値のあるものがほかにあっただろうに……」と思うかもしれない。貴金属もプラチナとアクアマリンのネックレスが3万3,000ドル程度、全部合わせて6万ドルほどの価値のものだったという。

また、McFarlin容疑者が逮捕された経緯というのも興味深い。地元紙のSan Jose Mercury Newsによれば、同容疑者はJobs氏宅から複数のiPhone、iPad、Mac、そしてiPodを盗んでおり、これらを自身のiTunesアカウントを使ってインターネット接続したことで、IPアドレスから容疑者が特定されたという。McFarlin容疑者はサンノゼ州立大学時代にはフットボール選手であり、当時を知る友人たちが「高校時代はNerdだった」「いい奴」と評価しているほか、職場の元上司は一報を聞いて「なんてばかなことをしたんだ」とコメントしている。McFarlin容疑者は最終的に8月2日に逮捕され、50万ドルの収監補償金が設定されている。