モモーイが歌った「きみはホエホエむすめ」は何とファミコン時代の曲!

PricoとAiRIによる「Happy Crossing」

たとえばnaoが歌う「きりひらけ!グレイシー☆スター」や、Pricoの「My dear stardust」、アフィリア・サーガ・イーストの「La*La*La ラボリューション」などは2010年以降に発売された比較的新しいゲームソングだが、一方で栗林みな実が披露した「君が望む永遠」主題歌「Rumbling hearts」の発表は11年前の2001年、桃井はるこが歌った「きみはホエホエむすめ」に至っては、1989年に発売されたファミコンのカルトソフト「アイドル八犬伝」の楽曲だ。

集まった観客がいかにゲームソングファンといえど、そのすべてをリアルタイムで体験している人は少ないだろう。しかし、いずれもゲームソングの歴史を振り返るには欠かせない名曲ばかりであり、このラインナップに主催側の強い思いを垣間見た気がした。

では、筆者が特に印象に残ったステージを紹介していこう。まずはアフィリア・サーガ・イーストによる「La*La*La ラボリューション」「ワタシ☆LOVEな☆オトメ!」の2曲だ。アフィリア・サーガ・イーストは、ファンタジー世界の学園をモチーフにしたコンセプトカフェ「アフィリア・グループ」から生まれたアイドルグループ。志倉千代丸と桃井はるこのダブルプロデュースで2008年にデビューし、ゲームソングを中心にリリースしている。ソロで歌う出演者が多い中、かなり異彩を放っていた彼女たちだが、歌とダンスで堂々たるステージングを見せてくれた。

コンセプトカフェから生まれたアフィリア・サーガ・イースト

続いては、PricoとAiRI。Pricoはニコニコ動画からデビューを果たしたアーティストで、パワフルな歌声を武器に「My dear stardust」で会場を大いに盛り上げた。また、AiRIは「キラ☆キラ」の主人公のコスチュームで登場し、同ゲーム主題歌「キラ☆キラ」の他、「Happy Crossing」でPricoとの共演を果たした。こうしたゲームソングアーティスト同士の共演は、フェスイベントならではの面白さ。ぜひ今後も様々なステージでのコラボレーションを期待したい。

ライブではスクリーンを使ったこんな演出も

ライブ後半には、懐かしい楽曲が次々と登場した。yozuca*による「ダ・カーポⅡ~あさきゆめみし君と~」 と「ダ・カーポⅢ~キミにささげるあいのマホウ~」、CooRieによる「Dream ~The ally of~」と「All is Love for you」は、根強い人気を誇る恋愛アドベンチャーゲーム「D.C.~ダ・カーポ~」の主題歌だ。一連のステージはまさにダ・カーポ特集であり、プレイ当時を思い出して涙したファンも多かったのではないだろうか。

この3人の登場には筆者も思わず声を上げてしまった

懐かしいといえば「サクラ大戦 帝国華撃団」による「檄! 帝国華撃団」「夢のつづき」の2曲も外せない。横山智佐、富沢美智恵、高乃麗がそれぞれ真宮寺さくら、神崎すみれ、マリア・タチバナの衣装で登場し、力強い歌声と華麗な舞を披露した。今回のライブでも、特に盛り上がったステージの一つだったと思う。

天使の翼を背負う栗林みな実

ラストは栗林みな実が「Rumbling hearts」「マブラヴ」「I Will」と3曲を歌い上げ、アンコールではこのイベントのために制作されたテーマソング「NEW GAME」を全員で熱唱してイベントは終了となった。ラストに「NEW GAME」――そこにはきっと、“ゲームソングライブの歴史は始まったばかり”という意味が込められているのだろう。

若干ジャンルやタイトルが偏りがちではあったものの、スーパーゲームソングライブは初回としては上々の盛り上がりだったのではないだろうか。今後はさらにジャンルやレーベルの垣根を越えたライブへと進化していってほしいと思う。