調査会社の米ガートナー(Gartner)は英国時間の2月15日、2011年第4四半期の世界のスマートフォン市場の最新データを発表した。それによれば、同期における出荷台数は1億4900万台で前年同期比47.3%の伸びだった。OS別では50.9%でAndroidが2位を2倍以上引き離してトップだが、この時期は発表直後のiPhone 4Sの販売が大幅に伸びたこともありシェアとしては微減となった。ベンダー別ではSamsungがAndroidのシェア全体を牽引しているほか、ZTEやHuaweiといった中国ベンダーがシェアを急増させており、Androidがそのキーとなっている。

なお第4四半期における世界の携帯電話市場全体の販売台数は4億7655万台で、ここから割り出した市場全体におけるスマートフォンの比率は31%となる。同様に2011年通年における携帯電話の総販売台数は17億7456万台で、スマートフォンが4億7200万台であることから26%の比率となり、四半期ごとに徐々にスマートフォンの比率が増えていることが確認できる。なお、第4四半期ベースでみたスマートフォンシェアの年間成長率は58%となる。

第4四半期におけるベンダー別のシェア順位はNokiaが23.4%でトップ、あとはSamsungが19.4%、Appleが7.4%、ZTEが4.0%、LGが3.6%、Huaweiが2.9%、Research In Motion (RIM)が2.8%、HTCが2.3%、Motorolaが2.1%、Alcatelが1.9%と続いている。シェア3割超という以前までのNokiaの独占体制は薄れ、一方でSamsungやAppleの躍進が目立つ。特にAppleはシェアのすべてがスマートフォンであり、シェアの急伸ぶりも目立っている。同社のシェア増加は年率121.4%と驚異的なペースであり、特に第4四半期でのiPhone新機種販売が躍進材料となった。

Appleほどではないものの、Gartnerが急成長ベンダーとしてピックアップしているのがZTEとHuaweiの2社だ。主に低価格機種を中心に手がける両社だが、ZTEのシェア増加は年率71%とAppleに続くパフォーマンスを持っている。またHuaweiについては、Android市場で見た場合にLGを抜いて同OSのトップ4ベンダーの一角に君臨しており、ZTEと並んでAndroidの恩恵を最も受けたベンダーの1社となっている。全体にスマートフォン市場が急成長するなか、まずSamsungが成長を遂げ、次いでこれまでソフトウェア開発力で一歩出遅れていた中国ベンダー各社がAndroidの助力を得て躍進するという構図が見えてきた。