もっと"広く"写す

最大360度のパノラマ写真を撮る「スライドパノラマ」というユニークな機能も、連写機能を応用したものだ。手動で複数枚を撮影してあとから合成といった手間がなく、シャッターを押したらEX-ZR15を動かすだけで、自動的に連写して最後に合成までしてくれる。感覚的には、動画の撮影に近い。EX-ZR15を動かす速さで撮影できる範囲が変わり、画像サイズも変わる。最大で1,152×1,080ドット、上下方向に動かした場合は1,920×7,296ドットだ。

スライドパノラマ機能を使ったパノラマ写真

同様に、カメラを動かすことでより広角に撮影するのが「ワイドショット」機能だ。通常でも28mmの広角撮影が可能だが、この機能を使うことで21mm相当、または17mm相当の広角撮影が行える。シャッターを押したあと、EX-ZR15の液晶モニタに表示される指示に従って、EX-ZR15をゆっくりていねいに動かしていく。最後に合成出力される仕組みだが、EX-ZR15を横方向にだけ動かす21mm撮影はともかく、上下左右に動かす17mm撮影は慣れが必要だ。失敗すると合成部分が不自然になることもあるが、特にその場の雰囲気や広い範囲を撮りたいときは、かなり"使える"機能といってよい。

光学ズームの広角端(28mm)

ワイドショット機能の21mm相当(写真左)と17mm相当(写真右)。合成部分がズレて不自然になった例

ワイドショット機能は、直線や斜線が多い建造物や、屋内撮影、人物の集合写真などは苦手だ。合成部分がピッタリと決まらないことがあり、直線部分などがズレて不自然な写真になってしまう。

一方で、風景が中心の屋外撮影は、なかなかの高精度で広角撮影が楽しめる。17mm相当のワイドショット撮影は魚眼レンズ風の効果も得られ、できるだけ"広い風景"を写したいときなど、積極的に使う価値がある。

光学ズームの広角端(28mm)

ワイドショット機能の21mm相当(写真左)と17mm相当(写真右)。風景が中心の写真なら、合成がきれいに決まりやすい

スナップカメラや旅カメラ、フットワーク重視のシーンに

EX-ZR15は、撮影の失敗が少ないデジカメだ。カメラを取り出してすぐに撮影できるだけでなく、連続して次々とシャッターを押していける。連写機能を使えば、動く被写体でも撮りやすくなる。夜でも手持ち撮影で夜景が撮影できたりと(万能ではないが)、撮影する側として深く考えずに、幅広い状況に対応できる。被写体や撮影そのものに集中したい人、スナップ写真がメインの人、とにかく簡単に失敗しないで撮影したい人などは、ぜひチェックしてみてほしい。

ひとつ加えるなら、EX-ZR15のサクサク感やHDRモードの画質などは、実際に使ってみないと分からないものだ。量販店やカメラ店に足を運んで、電源オンと撮影、再生といったように、一通りの操作を試してみるとよいだろう。

フルHD動画の撮影例。1,920×1,080ドット、約41MBのQuickTime形式(mov)。上記サムネイルをクリックすると、ダウンロード画面、または再生画面が開きます

ハイスピード動画の撮影例。640×480ドット、30~120fpsで撮影。約42MBのQuickTime形式(mov)。上記サムネイルをクリックすると、ダウンロード画面、または再生画面が開きます

関連リンク

"快速"デジカメ - カシオ「EXILIM EX-ZR15」読者モニターレポート特集
カシオ、HDRアート動画やボケ味のある写真も撮影可能なハイスピードEXILIM
カシオ「EXILIM」、さくさく動作に磨きをかけた最上位モデル「EX-ZR200」
カシオ「EXILIM」、ゴルフの練習に最適なハイスピード動画対応"EX-FC200S"
【レポート】ドン小西もアクセル全開!「EXILIM EX-ZR200」発売オープニングトークショー

・カシオ計算機
http://casio.jp/