マルチディスプレイも難なくこなすPower Media Dock

前項で、動画編集やゲーム以外の日常的な用途において良好な操作感を得られると書いたが、もちろん構成を選べばそれらのようなヘビーな用途にも対応できるのがVAIO Zシリーズの特徴だ。

Power Media Dock

特に、今回新たに用意された「Power Media Dock」は、自宅ではVAIO Zをメインマシンとして使うことを想定して設計されたものだろう。Dockに搭載されているRadeon HD 6650Mは、最新の3Dゲームを楽しむには力不足かもしれないが、高解像度の外付けディスプレイを接続してオンラインゲームをプレイするときなどは、やはりCPU統合グラフィック機能では心細い。VAIO Zを自宅の大画面に接続したときの描画能力をサポートするためのDockという意味では、ゲームユーザー以外でもDock付きの構成は「あり」と考えられる。

ベンチマークソフト名 本体のみ Dock装着時
3DMark Vantage 1.1.0(Performance) 3DMarks P1857 P4148
GPUスコア 1473 3525
CPUスコア 8566 8841
BIOHAZARD 5 ベンチマークテストB 1280×720 18.6fps 35.4fps
1920×1080 14.1fps 28.1fps
ファイナルファンタジー XIV オフィシャルベンチマーク LOW 651 1993
HIGH 338 1106

HDMI、アナログRGB、USB 3.0×1、USB 2.0×2、LANの各ポートを備えており、ディスプレイやマウス、外付けHDDなどを一度に接続できる

DockはUSB 3.0兼用の側面ポートに接続する。取り外しの際はコネクタ部の「UNDOCK」ボタンを押して数秒待ち、OS側で取り外し処理が完了してからコネクタを抜く必要がある(いきなり外すとフリーズする)

ポート形状自体はUSB互換だが、USBで使用する端子の下に"Light Peak"のコードネームで知られる光伝送技術を利用した接点があり、こちらを通じてグラフィック機能が本体と接続されている

Power Media Dockの使用時は本体用よりも大きなACアダプタ(右上)を使用する必要がある

なお、Power Media DockをVAIO Zに接続した場合、グラフィック機能は「本体ディスプレイモード」と「外部出力モード」の2つの動作モードを選択できる。本体ディスプレイモードでは、DockのRadeon HDのパワーを利用して本体の液晶ディスプレイの描画を行う。一方外部出力モードでは、 本体のディスプレイはCPU内蔵のインテルHD Graphicsで描画し、Dockに接続された外部ディスプレイをRadeon HDで描画する形になる。ディスプレイとそれを駆動するグラフィック機能の組み合わせが複雑だが、[Fn]+[F7]キーで呼び出せる設定画面からGUIで出力先を設定できるので、実際の使用時に迷うことは少ないだろう。

出力先を切り替える[Fn]+[F7]のホットキー操作でグラフィック機能の設定画面が呼び出せる

Dockを装着すると、Windows エクスペリエンスインデックスのグラフィックが5.7→6.8、ゲーム用グラフィックが6.2→6.8にアップ