薄型モバイルノートらしからぬレスポンスの良さ
店頭販売モデル「VPCZ219FJ/B」に準じたスペック(下表)のVAIO Zを試用してみたが、このサイズのノートPCとしてはかなりの快適さを感じられる機種であるという印象だった。
CPU | Core i5-2410M(2.30GHz、ターボ・ブースト時最大2.90GHz) |
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メモリ | 4GB |
ディスプレイ | 13.1型ワイド 1600×900ドット |
ストレージ | SSD 128GB(第2世代 SSD RAID) |
Power Media Dock | 付属 |
先に挙げた計5種類のCPUの中で、今回使ったマシンが搭載するそれは下から数えて2番目にあたるわけだが、実際にマシンを起動してみたところ、まずWindowsの起動待ち時間が約16~17秒ほどと非常に速く、スタートメニューの「すべてのプログラム」を押してから実際にプログラムのリストが表示されるまでの時間など、ちょっとしたタイムラグがほとんど感じられないことに驚いた。
従来のモバイルノートでは、決してロースペックとは言えない部類の機種でも、このような微妙な「ひっかかり」のようなものが気になることが多かった。今回のVAIO Zでそれが解消されている最も大きな理由としては、標準ストレージがRAID構成のSSDになったことが挙げられるだろう。HDDモデルを用意することによって最小構成価格をさらに下げることもできたはずだが、あえてその選択肢をなくしたところに、テクノロジーをよく理解しているユーザーのためのマシンに仕上げるという意気込みが感じられる。
現状においてもPCのスペックで特に重視されがちなのがCPUだが、Webブラウジングやオフィスソフトを使った一般的な文書作成を行うとき、最近のPCに限ればCPU性能がボトルネックになることはあまりない。もちろん、高解像度での画像編集、動画の編集・エンコード、ゲームといった用途ではそれなりのCPU性能が求められるが、PCを使用する全時間の中でそれらの用途が占める割合が低いユーザーのほうがむしろ主流だろう。となると、むしろ日常的なPCの利用においてはCPUの最高速度よりも、ソフトの起動やファイル操作(Webの閲覧やメールの送受信なども、処理の種類としては広義のファイル操作と言えるかもしれない)などのレスポンスに大きく影響する、ディスクアクセスの性能が快適性を大きく左右する。
今回は店頭販売モデル相当の機種を試用したため、搭載されていたSSDのインタフェースはSATA 3Gb/sだったが、それでも十分快適な操作感を得ることができた。オーナーメードモデルのSSDは6Gb/s接続となっているため、さらに高いパフォーマンスを得られるだろう。