新タイプのバックライトを搭載した薄型キーボード

ヘビーなモバイルユーザーの間で賛否が分かれると考えられるのがキーボードだ。本体の薄型化を追求したためか、キーボード自体のストローク量がかなり小さくなっている。筆者はストロークが深ければ深いほど良いキーボードとは考えていない(押下に必要な力の大きさによってはむしろ疲れにつながることもある)が、打鍵感は独特なので、長時間のキー入力が想定されるユーザーは購入前に取扱店の店頭で試し打ちをすることも検討したい。

また、キーの大きさやピッチは標準的だが、右シフトキーのみ、カーソルキーのさらに右側に配置されている。文字入力時に右シフトキーを使用するユーザーは、カーソルキー[↑]との打ち間違いがなくなるまで少々時間を要するかもしれない。

右シフトキーの入力時には小指がカーソルキーの上をまたがなければならない

一方、暗い場所でキートップの文字を照らすキーボードバックライトは極めて良好だ。VAIO Sシリーズなどに搭載されていた従来のバックライトは、キートップが明るくなるだけでなくキーの隙間からも光が漏れる構造となっていたため、装飾的な意味では効果的だったが、夜間の飛行機の中など近くに人のいる場所では周囲からまぶしく感じられることも多かった。対して新VAIO Zのキーボードバックライトはキートップの文字のみをほのかに明るくする程度で、暗闇でなければ点灯しているかどうかもわからないほど謙虚なものになった。イルミネーションにはならないが、暗所でのキートップの視認性を高めるという目的ならこれで十分であり、実用本位の改善と言うことができるだろう。

キーボードバックライトをオンにすると右写真のようにキートップの文字がわずかに明るくなる。キーの隙間からもかなりの光が漏れていた従来のライトとは大きく異なる印象だ

今回もクリーニングクロスが付属。ディスプレイを閉じるとき、キーボードの上に広げて挟んでおくのも良い