美しい筐体と自在なセッティングが魅力

Windows 7が正式にマルチタッチ(複数の指先での操作)をサポートしたことで、一気に需要が高まったタッチディスプレイ。ほんの数年前まではやや特殊な製品という位置付けにとどまっていたこのジャンルも、いまや各メーカーが搭載PCをラインナップに加えているのが当たり前といった様相だ。

しかし、タッチ操作に対応するのはディスプレイ一体型のデスクトップPCに多く、セパレートタイプの製品の選択肢はほとんどなし。タッチ機能を優先してPCを選択すると、他の仕様・機能の選択に制約を受けざるをえなかった。。

そこで登場してきたのが、タッチパネルを搭載した単体のディスプレイ。今回紹介する「ST2220T 21.5インチワイド マルチタッチモニタ」(以下「ST2220T」)は、2本のケーブルで接続するだけで、あらゆるPCで簡単に「タッチ」で操作できるようになる。マルチタッチは使いたいけれど、わざわざPCを買い換えるのはちょっと……などという人には最適な製品となるはずだ。

「ST2220T」のボディは、光沢のあるブラックを基調に、本体下部のスピーカーが配置されているエリアに幾何学模様が施されたデザイン。バックパネルは丸みを生かしたラウンド形状(平面設置ができるので、背面には平らな部分がある)なので、斜めから見ると薄さを感じるデザインだ。インテリアともよく似合いそうなシンプルでスタイリッシュなデザインは、とても好感がもてる。そのままデスクに置いて通常のディスプレイとして利用しても、まったく違和感はないだろう。

細めのベゼルと下部の幾何学模様が印象的なデザイン

背面はラウンド形状で厚みをあまり感じない。接続用のインターフェースは下向きに取り付けられている

インタフェース類は背面に電源コネクタ、DVI-D(HDCP)、HDMIポート、D-Sub、オーディオ入力とともに、PCと接続するUSB 2.0アップストリーム端子が配置されている。本体左側面には機器接続用のUSB 2.0端子が3基用意されており、右側面にはディスプレイの各種調整用ボタン類が配置されている。構造はいたってシンプルなので、設置そのものに戸惑うことはないだろう。タッチ機能を利用するには背面のUSB 2.0アップストリーム端子をPCのUSB端子に接続することが必須なので、その点だけ注意してほしい。

左側面にUSB 2.0×3を配置

右側面には電源ボタンと画質調整用の各種ボタンがある PCとの接続時には、映像入力以外に、オーディオ入力とタッチ機能を使うためのUSBの接続が必要となる

広い視野角と角度調整でスタイル自在

パネルは21.5インチワイドで、解像度は1,920x1,080までサポート。パネルタイプはIPSで、ダイナミックコントラスト比50,000:1、輝度250cd/平方メートルと明るく鮮やかな画質は、通常のディスプレイとしても使いやすい。

スタンド角は無段階調節可能で、設置角度を自由に調整できるのが魅力だ。一般的なボードPCのように垂直に近いセッティングにすることはもちろん、好みの角度を追求することもできる。スタンドをたたんでテーブル上に寝かせる水平設置も可能だ。

また、「ST2220T」は水平/垂直それぞれ178度という広い視野角を持っている。例えば、水平に設置したディスプレイを挟んで2人が座り、1つの画面を共有しても、双方ともに表示内容をきちんと視認できる。もちろん、マルチタッチをサポートしているので、タッチ対応のゲームで対戦などということも余裕でできるのだ。

スタンド角度は無段階での調節が可能。ディスプレイの一般的な角度(左)、スタンド使用時の最大斜度(中)。スタンドを畳んだ水平設置も可能(右)