ニコン「D7000」は、カメラや撮影が好きな中級者以上をターゲットにしたデジタル一眼レフ機だ。従来の中級機「D90」と同等の小型ボディに、上級機「D300S」に匹敵する高機能を凝縮する。その機能と使い勝手をレビューしよう。

D7000は、2008年に発売したD90と2009年に発売したD300Sの中間に位置するミドルクラスの一眼レフ機。試用してまず感じたのは、小さすぎず大きすぎないボディのバランスのよさと、てきぱきと作動するレスポンスの快適さだ。

ニコン「D7000」

ボディは、D90とほぼ同じ大きさながら、新たに上面と背面にマグネシウム合金を採用することで、剛性感と高級感を向上させている。筆者の大きな手にはグリップ部のフィット感がやや不足気味だが、特に持ちにくいほどではない。キットレンズ「AF-S DX NIKKOR 18-105mm f/3.5-5.6G ED VR」を装着した際のホールドバランスはいい。

ニコンFマウントを採用。4種類の周波数の振動でセンサーゴミを振るい落とす「インテグレーテッドダストリダクションシステム」に対応する

上面カバーと背面カバーにマグネシウム合金を採用した頑丈なボディ。各接合部にはシーリングを施すことで防塵・防滴性能を実現している

ファインダーには視野率100%、倍率約0.94倍のペンタプリズムを採用。フォーカスポイントのほか、格子線や水準器をインジケーター表示できる

ボディ前面には上から、フラッシュモードボタン、オートブラケティングボタン、レンズ取り外しボタン、AFモードボタンを装備する

ファインダーには、中級機としては贅沢ともいえる視野率100%、倍率0.94倍のペンタプリズムを採用。表示の大きさやピントの見やすさに不満はない。AFは、9点のクロスセンサーを含む39点のフォーカスポイントに対応。AF速度はスピーディで、動きのある被写体に対してもスムーズに合焦する。そして、シャッターボタンを押すと素早くシャッターが切れる。シャッター音は比較的静かで、レリーズ時の振動は小さめだ。

記録メディアは、SD/SDHC/SDXCメモリーカードのダブルスロットを装備。ダブルスロットの働きは、撮影メニューから設定できる

1枚目がフルになったら2枚目に記録する「順次記録」のほか、同じ画像を2枚に記録する「バックアップ記録」や、RAW+JPEGの「分割記録」に対応

AFエリアモードは、39点から好きな1点を選択できる「シングルポイントAF」のほか、選択した1点とその周辺のポイントを使用する「ダイナミックAF(9点/21点/39点)」、被写体の動きに追尾して39点のポイントが自動的に切り替わる「3D-トラッキング」、カメラの判断によって、全ポイントから使用するポイントを選ぶ「オートエリアAF」の4モードから選べる。動体撮影ではダイナミックAFや3D-トラッキングAFが役立つだろう。……つづきを読む