台湾・台北市で10月19日(現地時間)、米AMDの最新動向を紹介するイベント「AMD Technical Forum and Exhibition(TFE) 2010」が開催された。その基調講演の中で、「Northern Islands」(開発コードネーム)と呼ばれるデスクトップ向け次世代GPUが、今週末に登場することが判明した。

TFE 2010の開幕基調講演の中で、米AMDのGPU担当Corporate VP and GMのMatt Skynner氏 が「Northern Islands」のリファレンスカードを披露した。Radeon HD 5000シリーズに続く、デスクトップ向けGPUの次世代製品とされており、公開されたカード形状が2スロットタイプであったことから、「Radeon HD 6800」といった製品名が与えられると考えるのが自然だろう。

「Northern Islands」のリファレンスカードを披露する米AMDのMatt Skynner氏

性能の一端を示す動作デモンストレーションも披露された。ゲームエンジンを用いたデモンストレーションで、DirectX 11のテッセレーションによる複数オブジェクトのモデリングや、オープンソースのGPU物理演算エンジン「Bullet Physics」による建造物の破壊表現、非常に多くの光源設置などの複雑な処理を、リアルタイムでスムーズに実行できることが紹介されていた。

ゲームエンジンを用いた動作デモンストレーション。テッセレーションや光源処理を豊富に適用して近未来的な都市をリアルタイムレンダリングしている

都市の橋を破壊する物理表現。「Bullet Physics」は、「NVIDIA PhysX」や「Havok」とも異なるオープンソースの物理演算エンジン

同講演内では、この「Northern Islands」が、今週末の10月22日に正式リリースされることも表明されている。それが北米時間なのか、イベント開催地の台湾時間での話なのかは不明だが、日本国内向けでも、少なくとも今週末には正式なリリース情報が明らかになるものと見られる。