日立アプライアンスは26日、紙パック式クリーナー3機種と、サイクロン式クリーナー3機種を発表した。発売日、価格などは表の通り。

小型軽量化した紙パック式クリーナー「かるパック」

CV-PR200は、「CV-RP2100」の後継後継となる、プレミアムクラスの紙パック式クリーナー。高機能になるにつれ、年々大型化も進んでいるプレミアムクラスのクリーナーだが、実際に掃除をする際は、やはりコンパクトなボディの方が使いやすい。CV-PR200は、従来機に比べて、体積比で約28%減、質量比で約22%減という、小型軽量化を実現(本体体積10.8L、本体質量3.9kg)。これは、3次元CADによる高密度設計により、余分なスペースを削ったことによるもの。本体主要部品の数も、従来の74個から44個にまで減らされている。

プレミアムタイプの紙パック式クリーナー「CV-PR200」

従来機「CV-RP2100」(左)に比べて、28%減のコンパクトなサイズを実現している

小型化だけでなく、クリーナーとしての性能、とくにパワーが向上。これは、新開発されたファンモーターの採用によるものだ。新しいファンモーターでは、内側の回転翼(インペラ)と外側の固定翼(ディフューザー)の形状を改良するとともに、モーター内での電気的損失を低減。より強力な吸引力を実現する。今回発表された紙パック式クリーナーの吸い込み仕事率は、現時点では未定となっているが、これは最終調整を行っているため。従来モデル(CV-RP2100の吸い込み仕事率は470W~80W)以上の性能になるとのことだ。

従来機種と比べ、重量も約22%軽くなった

また、同社の調べによると、プレミアムタイプのクリーナーの購入者が、購入時に重視したポイントのうち、もっとも割合が大きかったのが、「排気のきれいさ」だという。ところが、排気のきれいさに関する標準的な測定方法は、今まで存在していなかった。各社が表示している測定結果は、まちまちな方法で測定を行った結果で、それを見ただけではどのクリーナーの排気がきれいなのかはわからない。

3D形状最適設計技術により高効率化した回転翼(インペラ)。業界初となる、プレス成型の全金属型回転翼は、最大44,000r/mで高速回転する。その際の流速は140m/s

そこで現在、クリーナーの捕集性能の測定方法の規格化が IEC(国際電気標準会議:International Electrotechnical Commission)で進められている(年内には規格化される見込み)。CV-PR200は、先に発売されている2段ブーストサイクロンクリーナー「CV-SR3300」と同様に、IEC60312-1(CDV)に準拠した方法で第三者機関に試験評価を依頼したところ、0.3~10μmの塵の99.999%をキャッチするという高い補集性能を示したという。

2台のクリーナーにスモークを吸い込ませる実験。左が、補集率98%のモデルで、右が99.999%の「CV-PR200」。CV-PR200では煙がほぼ排出されない

これはCV-PR200の「ナノテク高捕じんプレミアム衛生フィルター」(紙パック)→「アレルオフフィルター」→「高気密モーターケース」→「高集じんフィルター」という経路で風が通り、それ以外に空気が漏れないという構造によるものだ。また、分散上方排気を採用することで、クリーナー内部を通る空気がクリーンなだけでなく、床面のほこりの舞い上がりも起こしにくくなっている。

強い吸引力を実現する、サイクロン式クリーナー「ごみダッシュサイクロン」

「ごみダッシュサイクロン」(CV-SR20)は、CV-SR3300の下のクラスの「高級クラス」に位置するサイクロンクリーナー。CV-PR200と同様に、新開発されたファンモーターを搭載することで、最大630Wという、現時点での業界No.1の吸い込み仕事率を達成している。

高級タイプのサイクロン式クリーナー「CV-SR20」

新「ごみダッシュ」機構の採用で、フィルターへのティッシュの取りつけが楽になった

また、サイクロンクリーナーで問題になりがちな、フィルターの汚れという点に関しては、新「ごみダッシュ」機構を採用。同機構は、フィルターにティッシュペーパーを取り付けることで、汚れの付着を防ぐというものだが、立体フィルターの形状を、大きく開くように変更することで、ティッシュペーパーの取りつけが簡単に行えるように改良されている。

サイクロン式クリーナー「CV-SR10」。ごみハンターヘッドを採用する

ふき機能を強化した、新「ワイドごみハンターヘッド」

新モデル6機種のうち、CV-PR200/PR20/SR20には、新「ワイドごみハンターヘッド」を採用している。ごみハンターヘッドの最大の特徴は、床の状態を検知する機能を搭載している点。「これっきり」ボタンを押すことで、床の状態にあわせて、ファンモーターのパワー、ブラシのモーターのパワーをコントロールし、消費電力を削減すると同時に、ブラシの余分な回転によって ほこりをまき散らすのも防ぐ。

CV-PR200/PR20/SR20に採用されている、新「ワイドごみハンターヘッド」

高密度回転ブラシとハイパワーモーターの採用で、ふき掃除能力が向上

またワイドごみハンターヘッドでは、ヘッドの幅を大型化。従来は22cmだったごみを吸い取る幅を、約29cmに拡大している。さらに、ふき掃除能力を強化。回転ブラシにふき用のブラシを加えると同時に、高密度化。駆動用のモーターの軸回転力を約20%アップすることで、フローリングの上を強力にふき上げることが可能となった。

紙パック式の高級タイプ「CV-PR20」(右)。CV-PR200と同様に、新ワイドごみハンターヘッドを採用する。補集率は99%

紙パック式クリーナーの「CV-PR10」。ワイドタイプではない通常の「ごみハンターヘッド」を採用する
型式 集じん方式 発売予定 価格 推定市場価格
CV-PR200 紙パック式 9月10日 オープン 6万円前後
CV-PR20 紙パック式 9月10日 オープン 5万円前後
CV-PR10 紙パック式 9月10日 オープン 4万円前後
CV-SR20 サイクロン式 9月10日 オープン 5万円前後
CV-SR10 サイクロン式 9月10日 オープン 4万円前後
CV-SR9 サイクロン式 9月10日 オープン 3万円前後