米AdMobは27日(現地時間)、2010年3月のモバイル市場調査レポートを発表した。同レポートではAndroidならびにiPhoneのOS別/機種別シェアについての推移や現状が報告されている。またある分析はこのレポートに触れ、最新OSへのアップデート終了が表明された初代iPhoneのユーザー動向についてその3分の2が新機種への移行またはiPhoneの利用を取り止める一方で、残りの3分の1はまだ旧機種を大事に使い続けていると予測している。

2010年3月時点のiPhone OSバージョンならびにiPhone/iPod touchの機種別シェア (出典:AdMob)

AdMobの最新レポートは同社ページで確認できる。今回のレポートでは主にAndroidの動向について記述されているが、PDFファイルの6ページ目にはiPhone OSのバージョン別/機種別シェアについての集計がまとめられている。これはAdMobの広告ネットワークを介して得たデータのため、必ずしも販売数等をそのまま反映したものではないが、ある程度利用実態に則した集計となっていると考えられる。

OSのバージョン別シェアでは、3.1.3が44%、3.1.2が42%となっており、全体のほぼ大半を占めている。ユーザーがこまめにバージョンアップ対応を行っていることを示すものだろう。一方で、3.1.2からバージョンを上げないユーザーが多数いる点も興味深い。余談だが、あるユーザーとのやりとりを行ったメールのヘッダ情報から、3月初旬時点で米Apple CEOのSteve Jobs氏が最新バージョンではなく3.1.2の状態でiPhoneを利用していることが話題になっている

機種別では、iPhoneとiPod touchを合わせた状態での集計となっており、3月時点のデータであることからiPadは含まれていない。iPhoneとiPod touchのシェアはそれぞれ61%と39%になっており、ほぼ6:4の比率になっている。iPhoneの機種別シェアでは、2Gのみをサポートした初代が2%、3Gが20%、3GSが39%となっており、販売対象地域の拡大とiPhoneの知名度の高まりとともに、徐々にユーザー数を拡大してきた様子がわかる。

また米国では、iPhone 3Gリリース時に初代iPhoneユーザーへの移行促進キャンペーンを行った結果(新規契約時と同じ価格でiPhone 3Gへと移行できる)、一部ユーザーがそのまま3Gにスライドするという現象が発生している。

これについてFortuneのBrainstorm Tech Blogの執筆者であるPhilip Elmer-DeWitt氏は、こうした移行策やiPhone 3GSの登場にも関わらず、旧機種を大事に使い続けているユーザーは全体の3分の1程度存在すると分析している

Elmer-DeWitt氏によれば、米Apple CEOが直近のデータでiPhone/iPod touchの販売台数を8,500万台と報告する一方で、同氏自身は初代iPhoneの累計出荷台数を610万台と予測しており、それを先ほどのAdMobのデータと照らし合わせれば、8,500万台中の610万台ということで機種別シェアでは7%程度に相当する。これが現状で2%ということは、旧機種をそのまま使い続けているユーザーの割合は全体の3分の1程度では、というのが同氏の予想だ。

筆者自身も実は初代iPhoneを使い続けているユーザーの1人だが、同じく初代iPhoneを使い続けているユーザーに遭遇すると、それで話が弾むことがある。バッテリや傷を含め、そろそろ限界が近いとも感じる昨今だが、寿命の近付くその日まで、大事に使い続けたいと思うユーザーは少なくないのだろう。