タッチパッドを搭載するなど外観は若干の変化あり
ThinkPad X201 Tabletは、X200 Tabletと同様、12.1型ワイドサイズのコンバーチブル型タブレットPCだ。第一印象でのデザイン上の変更は少なく感じる。普段はノートブック型としてキーボードから素早い入力ができ、タッチ操作が主体の持ち歩き時にはタブレット型として利用できる。iPadなど完全にタッチ主体のタブレット端末も人気が出てきているが、ビジネスツールとして見てコンバーチブル型がタブレットPCの王道であることは間違い無い。
Tablet機能の肝となるターン金具は頑丈な作り。ノートブック型からタブレット型へと変形した際にもスムーズに回転する。もちろん、1点で支持しているため多少の揺れはあるが、より安価なタブレット端末と比べ安定感は高い。液晶上部に設けられたラッチのロック用プレートは液晶面側、天板側のどちらにもスライドでき、ノートブック型では液晶面側に押し込んでラッチとかみ合いロック、タブレット型では天板側に押し込んで同じラッチとかみ合うことでロックされる。
液晶ディスプレイは12.1型ワイドサイズ。解像度は1,280×800ドットで標準的と言って良い。X201sシリーズには1,440×900ドットパネルも用意されているが、現時点でX201 Tabletではそのオプションは用意されていない。ベゼルの下段はLEDインジケータが並ぶとともに、オンオフ、ホールドボタン、ロックボタン、ディスプレイの回転ボタン、指紋センサー等が並ぶ。タブレットバージョン独自のデザインだ。また、デザイン面で言えば、一般的なXシリーズノートの場合、液晶ベゼル内部にワイヤレス関連のアンテナが内蔵されているのだが、タブレット機ではベゼルに対し出っ張る形でアンテナが搭載されている。タブレット型にした際でも電波の受信感度を維持するためのデザインとみられる。
X201シリーズ共通の12.1側ワイド液晶ディスプレイ。解像度はX201系としては標準的な1,280×800ドットだ。タッチパネルを積層すると輝度が低下したりぎらつくことがあるが、本製品ではそうしたことも抑えられている |
タッチ機能はデジタイザーペン入力と指タッチ入力双方に対応している。デジタイザーペンはその性格上シングルタッチとなるが、指タッチの場合はマルチタッチが可能で、Windows 7でサポートされたジャスチャ機能、そしてレノボが独自に実装したという機能が利用できる。デジタイザーペンは本体に収納可能で、持ち運び時に紛失する恐れはない。
キーボード面はX200 Tabletとデザインが異なる場所だ。キーボード自体はThinkPad X200シリーズと同様のいわゆるThinkVantageデザインで7列。そして赤いトラックポイントも受け継いでいる。従来モデルとデザイン上異なるのはタッチパッドを導入したことだ。かなり面積が小さいもののいわゆるウルトラナビの体裁。他社ノートに慣れたユーザーの受け入れやすさを考慮してのものと思われる。
キーボードはThinkPad伝統の7列レイアウト。T400系のようにESCやDELETEキーを大型化したものではなく、旧来のデザイン。トラックポイントも健在だ |
小さいながらもタッチパッドを搭載。タッチパッド付きノートからの移行が違和感無く行える |
タッチ機能用にUIも考慮されている。デスクトップ画面の上部には「Lenovo SimpleTap」が常駐しているが、これはシステム設定関連の機能をタッチ操作で呼び出せるものであり、大きなアイコンでタッチも楽だ。また、セキュリティや保守のためのユーティリティであるThinkVantage Toolboxも、新バージョンからアイコンが大型化(通常ノートでも同様)し、こちらも簡単にタッチ操作できる。そのほか、マルチタッチ操作をしていて気づいたのがソフトウェアキーボードでの複数キー同時押し。シングルタッチの場合、Shift+アルファベットのような入力では、一度Shiftをタッチし有効化した後、アルファベットに触れて入力するところ、マルチタッチでは通常のキーボードと同じ感覚で入力可能だ。
その他インタフェースは、デジタイザーペン用のスロットがある他はX201シリーズと同様。D-Sub15ピンアナログディスプレイ出力や計3系統のUSB 2.0、LAN、メモリカードスロットなど。モデムも搭載しているのは、現在のノートブックとしては珍しい。