ツアーは遅めの春が訪れたばかりの札幌で、プレイベントのかたちでスタート。STUDIO APARTMENT・森田昌典のDJプレイは、まだ肌寒さの残る札幌の気温を確実に上げた。

6月11日。「Shock the world tour 2009」が本格的に幕を開ける。まずはイギリスの首都、ロンドンから。カンファレンス、パーティーの盛り上がりとともに注目を集めたのが、G-SHOCKを語るためのひとつのキーワード"ART(アート)"。「LIFE IS TOUGH」をテーマに制作されたブランドブックは、写真からデザインまでを学生たちが手がけたとは思えないほどのクオリティを誇った。ブランドブックは、ベルリン、ニューヨーク、日本などでも制作されたが、"TOUGH(タフ)"に対する解釈や、ビジュアルの表現がそれぞれに異なり、興味深い。

G-SHOCKの"タフ"を彷彿とさせる、ブランドブックが世界各地で制作された

大阪・アメ村を埋め尽くすオーディエンス

日本だけではなく、アジアツアーにも参加した中田ヤスタカ

日本の開幕は、6月19日、岡山。中田ヤスタカ(capsule)の登場に、会場のボルテージは上がる。さらに、中田ヤスタカがプロデュースを手がけるperfumeのヒット曲『ポリリズム』がフロアに流れ出した瞬間、赤、青、黄と移り変わるカクテル光線の中で揺れていた人影の動きが一瞬スローモーションになり、その直後に堰を切ったように、フロア全体が熱狂のトランス状態へと突入した。

岡山以降、香港、仙台、名古屋、台北、上海、福岡とアジアシリーズが続く。そして、夏の終わりの大阪では、行き過ぎようとする夏が思わず振り返り立ち止まるほどの、前半戦最大級の盛り上がりを見せた。中田ヤスタカ、DAISHI DANCE、鈴木亜美のスペシャルDJ陣に加え、サプライズゲストとしてFantastic Plastic Machineの田中知之が駆けつけた。フロアの熱気は会場の外にも伝播し、オープニング前から会場の周囲を埋め尽くしたオーディエンスの列は、明け方まで途切れることはなかった。

中野シロウとコラボ! 等身大のG-SHOCK MAN登場

海の向こうのニューヨークでは、昨年に引き続き、壮大なカンファレンスとパーティーを開催。大成功をおさめた昨年をさらに凌駕する、多数のサプライズが来場者を楽しませた。まず来場者の目をくぎづけにしたのが、G-SHOCKオリジナルキャラクター「G-SHOCK MAN」の等身大フィギュア(約150cm)。デザインを手がけたのは、「モダンペット」など多数の人気キャラクターの生みの親、play set productsの中野シロウだ。

ニューヨークの会場となったシプリアーニ。金融街のど真ん中とは思えないような光景が

中野シロウが手がけた、G-SHOCK MANフィギュアは各地で熱烈な歓迎を受けたという

好評を博した等身大フィギュアは、その後のワールドツアーを同行することに。各地で大歓迎を受けたのは言うまでもない。また、G-SHOCKを氷の中に埋め込み、さらにその氷を破壊した後も、G-SHOCKは変わらず時を刻み続けるというタフさを表現したパフォーマンスから、古代ギリシャ建築の神殿の柱を彷彿とさせる高さ3mのG-SHOCKのオブジェ、マウントラシュモアの大統領の代わりに歴代のG-SHOCKをはめ込んだビジュアルなどまで、まったく飽きさせることがないカンファレンスが続いた。

また、プロスノーボーダー、プロスケーター、プロサーファーといったアスリートも登場。"SPORTS(スポーツ)"との抜群の相性の良さも証明した。その後は、おまちかねのパーティータイム。G-SHOCKを愛してやまないグラミー賞アーティスト、カニエ・ウェストの歌声が、会場内を大いなるグルーブで包み込んだ。……つづきを読む