SCEAと同じ2日(米国時間)にプレス向け説明会を開催した任天堂の米国現地法人Nintendo of Americaは、"Everyone's Game (みんなのゲーム)"を実現する新タイトルを多数公開した。

最初に登場したのは「New Super Mario Bros. Wii」。Wii版となってスーパーマリオブラザーズ復活である。レベル、敵、アイテムが増えただけでなく、プレイヤーも増えて最大4人による同時プレイが可能だ。ポイントを競う、または協力してレベルをクリアするなど、これまでにないスタイルでスーパーマリオブラザーズを楽しめる。

4人同時プレイが可能な「New Super Mario Bros. Wii」。プロペラスーツで大ジャンプ

レベルクリアで協力しながら、同時に同じゲーム内でプレイヤー同士が競争

マリオ・タイトルはもう1つ、3D版マリオで初の第2弾タイトルとなる『Super Mario Galaxy 2』が発表された。こちらは2010年発売予定で、前作のプレイスタイルを引き継ぎながらも、予想を裏切る奇想天外な挑戦をマリオファンにもたらすという。

3Dマリオで初のセカンドタイトル『Super Mario Galaxy 2』

中盤に登場した任天堂の岩田聡社長は、同社が行った消費者リサーチの結果を示しながら"みんなのゲーム"を説明した。消費者サンプルを「アクティブなゲーマー」「ゲームに関心を持つグループ」「関心を持っていないグループ」の3つに分類したところ、日本 / 米国 / 欧州6カ国でアクティブなゲームユーザーはすでに2億9,500万人も存在することが判った。しかしながら、まだゲームに手を出していないけど関心を持っている人も1億4,900万人ほど存在する。まだゲーム市場は50%の成長の可能性を残しているのだ。

以前のゲーム業界はゲーマーを重視するあまり、高いスキルを追求する傾向にあった。それではゲーム未体験者が参入しにくくなるばかりだ。だからといって、初心者向きのゲームはすぐに飽きられてしまう。ベテランとビギナー、そして新しいゲーマーの開拓を同時に満たすのは難しい。だが、不可能ではない。Wiiハンドルを同梱した『マリオカートWii』はビギナーからベテランまで熱中させ、ゲーム未経験者にもハンドルを握らせた。「正しい製品は、すべてのゲームプレイヤーの相互理解を深め、 社会的に受け入れられるエンターテインメントになる」と岩田氏。

アクティブゲームユーザーを引きつけながらMAYBE層を取り込む

『スーパーマリオブラザーズ』のような、今日のベテランゲームプレイヤーがかつて初心者だった頃に熱中した作品を今日のスタイルにアップデートしたり、幅広いプレイヤー層を獲得しているマリオギャラクシーの続編を作るのも、みんなのゲームを実現する手立ての1つだ。

一方で違った角度から、ゲーム未経験者がゲームの楽しさに気付く例もある。「脳トレ」や『Wii Fit』だ。このカテゴリの可能性の1つとして岩田氏は「Wii Vitality Sensor」の存在を明らかにした。人差し指を入れると脈拍を感知するセンサーだ。脈には鼓動のほか、さまざまな人体の情報を詰まっており、「このプレゼンテーションでナーバスになっている私の気持ち」(岩田氏)のような、目に見えない何かが同センサーを通じて可視化される。癒し効果のあるゲームや気持ちを落ち着けるゲームなど、従来のプレイヤーを興奮させる方向とは違ったタイプのゲームが考えられる。

「Wii Vitality Sensor」

この写真が映し出されたときに客席から「もしかしてジョーク……」という感じの笑いが起こったことを付け加えておく

任天堂は、世界的なヒットとなった『Wii Fit』の拡張版『Wii Fit Plus』を今年秋に投入する。Plus部分はプレイヤーごとのカスタマイズ機能の強化だ。個々に合わせたトレーニングメニューや、特定の場所の引き締めやストレス解消といった目的設定が可能。"パーソナライズ"もみんなのゲームを実現する要因の1つになると同社は見ている。

Team NINJAが、あのSFアクションゲームを……

プレスカンファレンスのほとんどの時間を"みんなのゲーム"で費やしたが、最後にNintendo of America社長兼COOのReggie Fils-Aime氏が話題を変えた。「私もブログを読んでいる。ユーザーは常により多くを求めるのを知っている。特に任天堂以外のパブリッシャーに関して、その要望は強い」と同氏。

そうした声に応えるタイトルとして『The Conduit』『Resident Evil: Darkside Chronicles』などを紹介。最後にスクリーンに「Team NINJA×Nintendo」の文字が映し出された。Team NINJAとのコラボレーションによる『Metroid: Other M』である。こちらは2010年の発売を予定しているという。

Team NINJAとのコラボレーションによるメトロイドが実現