--一方で、データセンターのロケーションについてはどこまで明らかにしていますか

平野 Geo-locationについては、はっきりとしたことを明らかにしていません。米国内の西地区、東地区という単位で選べるようになったという段階に留まっています。もちろん、データセンターの場所が、どこにあるのかといったことは明確にはしませんが、今回の発表で、米国国内でも西地区、東地区という形でプライマリと、セカンダリを選択し、ディザスタリカバリとしても、使っていただけることがわかった。

今後、欧州やアジアというロケーションについても、明らかになってくると思いますが、現時点では、そこまでに留まっています。

--最終的には、日本のユーザーは、日本のデータセンターを活用するという形になるのですか
大場 それは現段階ではなんともいえません。すでに、米国のサーバを試験的に利用しているユーザーもいますし、アジアに設置されるサーバーを利用する選択肢も考えれます。商用サービスに入った段階で、SLAや課金モデル、ネットワークのスピードなどを勘案し、選択していただくことになります。現時点で、北米にサーバを設置し、技術的評価をしているユーザーからは、パフォーマンスの問題は指摘されてはいません。データセンターの場所は、アプリケーションやサービスにもよるとは思いますが、技術的な観点からみると大きな問題にはならないと考えています。

--しかし、日本のデータセンターを利用したいという声は根強いのでは

大場 それは強く認識しています。とくに、政府や旧国立大学といった場合には、データのロケーションが国内でないと利用しにくい。こうしたニーズにどう応えるか。これは大きな課題であると考えています。いまは、国内でのデータセンター設置について、具体的な話ができる段階にはありません。

今年の夏から秋にかけて、米国以外でのデータセンター設置に関するブループリントができあがる。ただ、日本へのデータセンターの設置は、前向きには考えているという形で捉えていただいてかまいません。

--やはり、日本のデータセンターの利用コストは高くなりますか
大場 都心にデータセンターをおけばコストは問題になりますが、首都圏という広い範囲、あるいはそれ以外の土地代の安いところに設置すれば、それほど問題にはならないと考えています。

--パートナーが持つデータセンターでも、Azureは利用できるのですか
大場 Azureを、そのままパートナーのデータセンターに乗せるということはありません。ただ、パートナーのデータセンターで動いているアプリケーション、サービスから、Azureの機能にアクセスいただくことができます。これは、Azureの活用においては大きなシナリオだと捉えています。