日本でのマルチブランド戦略を説明する日本エイサー 代表取締役社長 詹 國良(ボブ・セン)氏

日本エイサーは15日、2009年新製品の発表会「acer Mobile Computing in Tokyo」を開催した。会場ではまず、日本エイサー 代表取締役社長の詹 國良(ボブ・セン)氏が日本での戦略を紹介。Value for Moneyをキーワードに、2011年までに日本国内でTOP5に入るPCメーカーを目指すとした。実現するために、マルチブランド戦略を促進。ブランドをたくさん作るだけでなく、さまざまなユーザーのニーズに対応する製品作りを展開。これらの戦略でマーケットシェアを伸ばすとのことだ。

続いて、日本エイサー 事業支援本部 マーケティング部 マーケティングコミュニケーション課 マネージャー 瀬戸和信氏が新製品のラインアップを紹介した。今回の発表に先駆けて、北京で行われたグローバルカンファレンスで、エイサーグループの2009年上半期の主力製品を紹介している。この中には新型ノート「Timeline」やネットトップ「Aspire Revo」といったユニークな製品を発表している。これらの新製品については6月までに詳細を明らかにするとした。

Acer、Gateway、eMachinesの各ブランドがターゲットとしているユーザーのイメージ

また瀬戸和信氏は、日本エイサーの各ブランドを説明。Acerブランドは新しい物好きでデジモノ好き、デザインも性能も重要と考えているユーザーに向けて展開。Gatewayブランドは、今までに狙えなかった分野を狙ったものとなっている。ブランド志向で流行モノや広告に敏感。性能よりもデザイン重視で、PCもファッションの一部と考えるユーザーがターゲットとなった。eMachinesブランドは、ブランドより機能性を追求したコストパフォーマンス重視のユーザーを想定しているとした。日本でもこのブランド戦略を推進するとした。

「50,000円くらいの秘密」

さらに瀬戸和信氏は、最近問い合わせが多い、50,000円くらいでPCが販売できる秘密を紹介した。

まずは現状の分析から。ユーザーのPC利用状況を調べるとインターネットとメールが約8割を占める。よく使われる機能に絞ることで価格を下げられる。エイサーは、ミニノートで世界1位、ノートブックでも世界2位の売り上げを誇る。このスケールメリットを生かした戦略が展開できるとした。また、2001年までは、コンポーネント、マニファクト、ディストリビューションのすべてに関わっていたが、2001年以後は効率化のために事業領域の選択と集中を実施。エイサーとして、ブランド、サービスといったディストリビューションに注力することでオペレーションの効率化を果たした。さらに少数精鋭の体制を採ることで効率化を促進。世界全体で適材適所の経営を行い効率をアップさせているとした。一般ユーザー向けには、スペシャルコンテンツ掲載のWebサイトで、「50,000円くらいの秘密」としてその紹介を行っている。

PCの生産工程と付加価値のグラフ。ディストリビューションに集中することで効率化を果たした

エイサーは社員が約6000人。少数精鋭で事業を展開することで効率化を果たしている