不況を乗り越える、攻めのIT活用提案を加速!

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

新しい年を迎えるにあたり、本年の抱負と取り組みについて述べさせていただきます。

2008年は、特に後半、米国でのサブプライムローン問題に端を発した金融危機の影響で、世界の経済状況が急変したことにより、日本においても様々な不測の事態が発生しました。各企業においては、業績予測や経営戦略の見直しを余儀なくされ、特に、短期的に業績を達成するために、投資抑制・経費削減と社員の生産性向上の高い次元での両立に一層注力していくことが重要になっています。一方、中・長期的な視点でいえば、企業の競争力の強化を実現するには、依然として戦略的IT投資が不可欠であると言えます。弊社は、このような経済状況だからこそ、「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を、最大限に引き出すための支援をする」という弊社の企業ミッションに基づき、ITが企業経営や人々の生活に貢献できることを従来以上にしっかりと訴求をしていきたいと考えております。

弊社にとっての2008年は、大きな変革且つチャレンジの年でした。私自身昨年4月に社長に就任し、7月には副社長の堂山がコンシューマー&オンライン事業の責任者として就任するなど経営体制にも変化がありました。2009会計年度(2008年7月-2009年6月)の開始と同時に新たな中期経営方針を立て、『「地に足のついた」革新による確実な成長軌道の実現』という目標を掲げました。現在のような厳しい経済環境ではありますが、「ピンチ」を「チャンス」と捉えて、中期経営方針で掲げた目標に向けて、企業活動を強化してまいります。

企業・法人向け事業では、経費削減や社員の生産性向上など経営強化に直結するITシステムの構築に向けてのソリューションビジネスの推進に注力します。ソリューション提案推進を図るため、サービス事業強化、ソリューションパートナー様との連携の強化、およびPeople Ready BusinessのビジョンのもとITの戦略的活用による経費削減や社員力向上を実現していくためのマーケティングキャンペーンの展開などを積極的に展開してまいります。ソリューションパートナー様との連携に関しては、中・長期的な観点からの協力関係を再構築し、弊社の幅広い製品群とパートナー様の豊富なソリューションを組み合わせることにより、一体となってお客様への提案活動を加速させます。さらに1年前より徹底的に改善・追求し続けている「"日本"品質」の向上に関しては、本社との連携も含めて継続して取り組んでいきます。このような取り組みを通して、日本のお客様やパートナー様からより一層「信頼される企業」として認識されるよう努力を続けてまいります。

コンシューマー向け事業では、人々のライフスタイルの多様化に伴い、弊社からも積極的に新たな価値提案を行っていきます。昨秋Windowsというブランドを再定義し、WindowsプラットフォームをベースとしたPC、モバイル、オンラインサービスを連携させることで、新しいユーザーエクスペリエンス(体験)の実現するシナリオ提案を継続して行っております。さらに、有力なテクノロジやコンテンツを有する日本のパートナー様との業界を超えた連携を強化することで、日本におけるデジタルライフスタイルの推進を加速していきます。また、現在開発中の次世代Windowsオペレーティングシステム「Windows 7」に関しては、ハードウェア、ソフトウェア開発者の皆さんへの情報提供を開始しました。製品開発段階からパートナー企業様と密接に協力することで、パートナーエコシステムを拡大していきます。

現在、ハードウェアの低価格化と高性能化、およびネットワークの高速化を背景に、コンピューティング資源のインターネット上(=クラウド)への移行が進展しています。こうした「クラウドコンピューティング」に対して、弊社は「ソフトウェア+サービス」戦略のもと、ソフトウェアとサービスの利点を適材適所で組み合わせながら、従来型の「自社運用」、パートナー様のホストティングによるサービス提供、マイクロソフトのホスティングによるサービス提供の3つの方式により、お客様やパートナー様へ最適な選択肢を提供してまいります。本年前半には、日本市場においても企業の生産性向上を支援するMicrosoft Onlineサービスを提供開始します。また、昨秋に発表したクラウド コンピューティング向けプラットフォーム Windows Azureの技術情報の積極的な提供と同時に、ソフトウェア+サービス戦略に基づいたパートナーシップの拡大にも注力してまいります。

現在、産業界は大きな変革期を迎えていると認識しております。弊社は、政府・自治体や教育機関、NPO、パートナー企業各社様と密接に連携し、日本において責任ある企業市民として事業展開を行っていくとともに、革新的な製品・サービス・ソリューションの提供をはじめとするイノベーションを継続して追求していくことで、ソフトウェア企業として新たな価値を創造し、日本市場の活性化へ貢献したいと考えております。

2009年も、日本のお客様のご期待に添うべく努力を続けてまいります。

今後とも、一層のご支援、ご鞭撻をお願い申し上げます。

2009年元旦 マイクロソフト株式会社 代表執行役 社長 樋口泰行

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