CPU TEST 1 MERRY GO ROUND AI SHOW(Photo21)

CPU TEST 1は、谷に設けられたパイロンやアーチを通るレースコース上を、沢山の機体が同時に飛行するというもの(Photo22)。この機体の操縦にAIを用いており、

  • あらかじめ定められた飛行コースをなるべく取るようにする
  • 複葉固定翼機の物理的なフライトモデルを再現する
  • 他の機体にぶつからない様に回避する

という条件を、個々の機体が満たすように演算を行っている。このテストではGPUの負荷はなるべく減らすように考慮されており、逆にAIは1機あたり1 Threadを割り当てられている。CPUの全コアを使ってThreadは動作するので、マルチコアの場合には性能が出やすいテストでもある。結果は毎秒当たり何回AIの計算(=Flight Planの策定)を行えたかということで、PLANS/secで示される。

Photo22:面白いのはこのテスト、逃げ場が無ければ衝突して墜落しても可、という緩い制約条件が課せられている事である。実際この写真でも、右下の谷底に、衝突して落ちてゆく機体が見える(1機は既に分解して、点が1個見えるだけ)。まぁテストの趣旨からすればこれで十分なのだろう。

CPU TEST 2 CRASH'n'BURN PHYSICS(Photo23)

CPU TEST 2は、先ほどの飛行モデルを使ったものだが、今度は機体が分解しながら煙を吐きつつ落ちてゆくという代物。落下中なので、空力学モデルではなく、物体の落下というプリミティブな物理モデルとして計算される。このテストはAGEIAのPhysX物理演算ライブラリを用いて計算を行っているため、システムにPhysXカードが装着されているとこれを利用することになり、スコアがぐんと上がることになる。機体は12個の要素からなり、これが11箇所のジョイントで留まっている。このどこが分解するか、はシミュレーションで決定される。煙もまた、物理演算ライブラリで計算される。

ただこれだとPhysXカードを使ったときに異様に有利になるため、一応重み付けがされている。表5がそれで、CPUのコア数とPhysXカードの有無でゲートの数が変化する(Photo24)。こちらの結果は、やはり物理演算シミュレーションを毎秒何ステップ行えたかという形になるため、STEPS/secとして示される。

表5
PhysXの有無 CPUのコア数 ゲート数
無し 2 2
4 4
8 8
有り 2 5
4 7
8 11

Photo24:恐らくこの丸い浮き輪(?)がゲート。これはQuad CoreでPhysXカード無しなので、ゲートは4つ。通常1つのCPUコアにゲートが一つ割り当てられるが、PhysXカードがある場合ここに4つのゲートが割り当てられ、CPUコアにはコアの数-1個のゲートが割り当てられる計算。