今までできなかったことができる楽しさ

EX-F1はこれまでの常識をあっさり覆したデジタルカメラだ。秒60コマの静止画撮影、高速動画撮影、ハイビジョン動画など、これまでの多くのカメラではできなかったことができるようになっている。また、現在のデジタルカメラは1000万画素級が主流となりつつあるが、撮像素子の小さなコンパクトカメラクラスでは600万画素と抑えられているところにむしろ好感が持てる。高機能ながら操作部もわかりやすい。静止画と動画で切り分けていることで、直感だけでもひととおりの操作はできてしまう。

不満がなかったわけではない。しかしほかのカメラでは絶対にできないEX-F1特有の高速連写や高速動画機能の前では、そうした点は些細なことに思えてしまう。ハイビジョン動画機能を搭載したのもうれしい点だ。ハイビジョンを優に上回る解像度を持っているデジタルカメラでも、ハイビジョン動画に対応したモデルはサンヨーのXactiぐらいしかなったのだ。EX-F1の値段はデジタル一眼レフが買える額だが、こうした機能が1台に収まっていることを考えると、値段に納得もできてしまう。

今回、EX-F1を試用していてほかのカメラにはない楽しさがあった。ぜひ今後も長く改良と開発を続けてほしいと思う。

手前は合焦しているのだが、ややシャープさに欠ける。白飛びは少々唐突な感じ
EX-F1 / 高精細(JPEG) / 8.3mm(41mm相当) / ISO200 / 絞り優先AE、補正+0.7EV(F2.7、1/250秒) / 分割測光 / WB:オート

撮影を行なった週末はちょうど桜が満開で、春を感じさせる写真を撮影できた
EX-F1 / 高精細(JPEG) / 55.1mm(272mm相当) / ISO100 / 絞り優先AE(F3.7、1/800秒) / 分割測光 / WB:オート

日に透けた葉と花をマクロで撮影。こうしたケースでは色におかしなところは見られない
EX-F1 / 高精細(JPEG) / 7.3mm(36mm相当) / ISO100 / プログラムAE(F2.7、1/400秒) / 分割測光 / WB:オート

曇天時に道路際の暗い花壇に花が浮かび上がるように見えた
EX-F1 / 高精細(JPEG) / 7.3mm(36mm相当) / ISO100 / 絞り優先AE(F2.7、1/400秒) / 分割測光 / WB:オート

輝度差の激しい崖を下から撮影。空の色がいまひとつ
EX-F1 / 高精細(JPEG) / 7.3mm(36mm相当) / ISO200 / 絞り優先AE、補正-0.7EV(F3.8、1/1000秒) / 分割測光 / WB:オート

昼間と夕暮れの間に瞬間に松の木をシルエットにして撮影。木洩れ日となった太陽にスミア等は見られない
EX-F1 / 高精細(JPEG) / 7.3mm(36mm相当) / ISO100 / 絞り優先AE(F2.7、1/1000秒) / 分割測光 / WB:オート

撮影・レポート:平 雅彦(WINDY Co.)