日本人の海外渡航先として、最も手軽に行ける韓国。今では成田や関西のみならず日本中の空港からソウル行きのフライトが多数設定されている。そのため観光やビジネスで頻繁に韓国を訪れる人も多いことだろう。韓国では日本の携帯電話をそのまま利用できる「国際ローミングサービス」が提供されているが、頻繁に渡航する人ならば現地の携帯電話を持つことも考えたいものだ。さて、諸外国のように韓国でもプリペイド携帯を買うことはできるのだろうか?

韓国の携帯電話事情

韓国で携帯電話をサービスしている通信事業者はSK Teleocm(SKT)、KT Freetel(KTF)、LG Telecom (LGT)の3社である。かつて韓国の携帯電話はCDMA2000/EV-DO方式のみが提供されていたが、2006年からSKT、KTFが相次いでW-CDMA/HSDPA方式を開始している。

韓国の街中を歩くと携帯電話販売店を多く見かけるが、その光景は日本と似ている。韓国でも携帯電話の販売は各通信事業者の直営店や代理店が行っており、代理店の中には複数の事業者を扱っている店もある。また、ショッピングセンターなどには携帯電話専用コーナーがあり、多数の代理店が競争しあいながら営業活動を行っている。

さて、韓国の携帯電話もW-CDMA/HSDPA方式ではSIMカードを採用したことから、携帯電話と回線契約(SIMカード)は分離されるようになった。しかし日本と同様に携帯電話と回線はセットで販売されることが基本だ。ヨーロッパやアジアの多くの国で見られる「携帯電話単体だけの販売」や「SIMカードだけの販売」は行われていない。このため韓国の携帯ショップを訪れてみると、どことなく日本のショップと似たような雰囲気が感じられるだろう。

韓国の街中でよく見かける通信事業者の販売店(SKT)

複数の事業者名を掲げた一般的な代理店も多数ある

韓国では日本の携帯電話も利用できる

これまではCDMA2000方式を採用するauの携帯電話(グローバルパスポート対応機種)だけが韓国で国際ローミングを利用できたが、W-CDMA/HSDPA方式の開始により、今ではNTTドコモ、ソフトバンクの国際ローミング対応携帯を韓国で利用することも可能になっている。このため、日本にいるときと同じ感覚で普段利用している携帯電話をそのまま利用することができる。サービスエリアも日本人の訪れる主要都市や観光地ならばほぼ全域がカバーされている。パケット通信も利用できるため韓国から日本にメールを送ることも可能だ。週末に2泊3日程度で韓国を訪れる時などは、日本の携帯を持っていけば特に困ることもないだろう。

ただし国際ローミングを利用する場合は、日本国内と通話料などが異なることに注意が必要だ。着信するだけでも料金がかかる。また、友人同士で渡航しお互いが電話連絡を取り合う場合は、現地でも日本の電話番号をそのまま利用することになるので、相手の携帯電話番号へ国際電話しなくてはならない。

さらに現地の取引先、観光ガイド、ホテルなどに連絡をしてもらう場合も同様に、国際電話をかけてもらわなくてはならないのだ。韓国から日本への国際電話は比較的安価とはいえ、同じ韓国内にいながら国際電話をかけてもらうのはちょっと気が引けてしまうこともあるだろう。

手軽なレンタルで韓国携帯を利用する

このように日本の携帯電話を現地で使う「国際ローミング」は、年に1~2回の渡航であれば十分便利ではある。しかし毎月のように渡航するようなリピーターであれば、通話料の低減や現地とのスムーズな連絡のために滞在国の携帯電話を持つことも考えたいものだ。では、韓国の携帯電話を持つことは可能なのだろうか?