ハードウェア仕様は、CPUがOEM向けにのみ出荷されているインテルSmall Form FactorパッケージのインテルCore 2 Duoプロセッサー SL7100(1.20GHz)、メモリが1GB PC2-5300 DDR2 SDRAM(1GB×1)。チップセットはモバイルインテルGS965 Expressが採用されていて、グラフィックス機能はチップセット内蔵のインテルGMA X3100を利用する。

ストレージデバイスはハードディスクではなく、64GB容量の1.8型Serial ATA SSDが搭載されている。光学ドライブは7mm厚のスリムDVDスーパーマルチドライブだ。なお、光学ドライブは脱着式となっているものの、ウェイトセーバーベゼルは用意されていない。その他の機能はIEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN、ギガビットLAN、Bluetooth 2.0+EDRなど。FAXモデムが省略されているが、現在では出張時でもFAXモデムを使うという機会はごく少なくなっているため、さほど困ることもないだろう。どうしても必要な場合はオプションでUSBモデム(5,670円)が用意されている。

出荷時のOSはWindows Vista Businessのみとなっていて、Windows XPプリインストールモデルは用意されていない。ただし、同梱のWindows XP ProfessionalリカバリDVDを利用すればWindows XP Professionalに載せ替えも可能なので、まだWindows Vistaに移行したくないというユーザーでも一手間取ることをいとわなければWindows XPマシンとして利用できる。

さて、ベンチマークテストの結果を見てみると、Windowsエクスペリエンスインデックスの基本スコアは3.5となっている。一番低いサブスコアは「グラフィックス」と「ゲーム用グラフィックス」で、これは内蔵グラフィックスコアを利用している以上仕方がないといったところだ。しかし、「プロセッサ」と「メモリ」では4.5前後、「プライマリハードディスク」にいたっては最高スコアとなる5.9をたたき出していて、ビジネス用途で使用するにあたっては十分なパフォーマンスが得られるはずだ。

Windowsエクスペリエンスインデックス

他のベンチマークテストでも同様の結果が出ている。PCMarkのHDDのスコアはハードディスク搭載パソコンと比較すると特筆ものだ。たしかにWindows Vistaの起動時間は70秒程度とハードディスク搭載マシンとは比較にならない。また、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3の結果を見ると、高解像度モードで「FINAL FANTASY XI for Windows」を動作させられる「楽PC」、低解像度モードでようやく「FINAL FANTASY XI for Windows」をデフォルト状態でストレスなく動作させられる「ちょうどPC」レベルなので、比較的負荷が低いオンラインゲームであっても3Dゲームのプレイにはあまり適していないことがわかるだろう。ほんの少しでもゲームをプレイしたいという気持ちがあるならば、ThinkPad X300はオススメできないと言わざるを得ない。

使用時の動作音については、高負荷時に「フィーン、サー」という高音域のファン回転音と風切り音が本体左側面の排気口から聞こえる。比較的大きな音なので会議中や図書館の中など静かな場所で使う場合はやや気になるものの、負荷が低くなるとすぐに無音状態に戻るのでファン内蔵型ノートパソコンとしては上出来な方だと言えるだろう。このCPUファンの回転スピードは4段階で、CPUのリーク電流がもっとも少なくなるよう回転数が自動調整されている。獲物を捕まえる際にふくろうがほぼ無音で飛行することからヒントを得て、ふくろうの羽根の研究から開発したブレード形状のフィンを採用することで静音性を高め、エアフローを改善することでキーボード周辺と底面の温度を低減している。たしかに高負荷時でも本体底面左側がほんのりと暖かくなる程度でひざの上に載せての作業も不快ではない。また、パームレスト部分の裏面はバッテリが装着されているため、パームレストが熱くなって手が汗でべたべたになるようなこともないだろう。