PCMark Vantage v1.0
Futuremark
http://www.futuremark.com/
そんなわけでSingle-Threadでは散々だったが、Multi-Threadではどうか? という事でPCMark Vantageの結果である。グラフ15がOverallであるが、多少凸凹はあるものの、概ね同等といったあたりになっているのは、やはり8 coreの威力というべきだろうか? 微妙なのはPCMark Detail(グラフ16)で、MemoriesとかCommunicationでは良いスコアを出している一方、Gamingではむしろスコアが下がっているという、High-End Gaming Platformとしてはちょっと微妙なスコアになっている。
もう少し詳細に見てみよう。Memories(グラフ17)では、Test4(Video transcoding - VC-1 to WMV9)が突出して良く、その他のテストはPCMark05並でしかない。負荷が高い処理でのみ、威力を発揮するということだろう。これはTV and Movie(グラフ18)も同じで、Test 2(VC-1→VC-1のtranscodingとMPEG-2 HDTVのplaybackの同時作業)とTest 4(VC-1→WMV9のtranscodingとMPEG-2 Blu-rayのplaybackの同時作業)ではグンと性能が上がっているが、もっと負荷の軽いTest1/3ではそこそこといったあたりだ。
逆にGaming(グラフ19)は非常にスコアが悪い。Gamingは
- Test1:GPU gaming
- Test2:HDD - gaming
- Test3:CPU gamingとデータ展開
- Test4:GPU gamingとCPU gaming、HDD - gamingの同時
というシナリオだが、Test 4でやっとX38に近づくといったレベルで、このままではプラットフォームとして向いていないとすら言える。反対にMusic(グラフ20)ではエンコードが多いためか、X38と同等以上のスコアを出しているし、Communication(グラフ21)もTest 3(Windows Mailの検索)のみ異様にスコアが悪い(これはやはりMemory Bandwidthの問題だろう)が、それ以外は概ね同等である。Productivity(グラフ22)では、Test 3(HDD - Windows Vista startup)のみ異様にスコアが悪いが、後は概ね同等といったところである。HDD(グラフ23)に関しては、Test 8(HDD - application loading)が異様に良いが、後はそれなりといったところ。スコアが低いのもやむを得ない感じである。こうした成績の低さの大半は、恐らくMemory Bandwidthの低さに起因すると想像されるが、ほかにもDual Processor間の通信のLatencyも多少は関係していそうだ。