オリジナル版のファンも納得! ハイクオリティなオープニングムービー!

今回のリメイク版FF4には、オープニングムービーが収録されています。当然、オリジナル版にはありません。これは、もしかすると賛否両論を呼んでいるかもしれません。 僕自身も「もしもムービーが入ったことで自分が持っていたイメージを壊されたらどうしよう……」と、ドキドキしながら電源を入れました。

……が、そこは安心してほしい!

僕たちオリジナル版のファンが個々に持っていたであろうイメージを壊すことなく、これから始まる物語を大いに盛り上げてくれるすばらしいオープニングムービーに仕上がっています。

これがどの場面かわかる人は相当なマニア

何より、セシルが、カインが、ローザが……ドット絵だったオリジナル版では、実際の姿を想像するしかなかったキャラクターたちが、映画の如く美しいCGとなって生き生きと動きまわる様には、思わず目頭が熱くなり、同時に時の流れも感じました。あれから16年だもんな……そりゃあ技術も進歩するわな……僕も歳を取るわな……。

イベントシーンもこの通りフル3Dだ

最大の進化はやはりグラフィック!

この16年でゲームのどの部分がもっとも進化したかと問われれば、それはやはりグラフィックでしょう。もちろん、今回のリメイク版FF4でもそれは例外ではありません。フィールド、洞窟、戦闘シーン、イベント……全てが3Dで新しく描き直され、オリジナル版を死ぬほど遊んだ僕も、新鮮な気持ちでプレイすることができました。

しかも嬉しいのは、街やダンジョンなどが3Dになったにも関わらず、構造自体はほとんど変わっていないということです。

「確かあのあたりに宝箱が……」 「ここって隠し通路があったような……」

そんな細かいところまで、3Dなのにバッチリ再現されているのです!

そう、リメイクとは「作り直す」という意味ではありますが、だからといって全てをゼロから作り直せばいいというわけではない!「どこをリニューアルするか」という点は確かに重要です。しかし、オリジナル版のファンにとっては、それ以上に「どこがオリジナル版のまま残っているか」というところが非常に気になる部分でもあるのです!

……すみません、興奮しすぎて、キーボードを叩きながら書いた文章と同じセリフを叫んでいました。我ながら気持ち悪い大人だなと、そろそろ思い始めてきましたが、とにかく僕が強く主張したいのはそういうことなのです。

こうしたリメイクにおける重要な点を完璧に仕上げたところは、やはりオリジナル版のスタッフが今回のリメイクに携わっているというだけのことはありますよね。

自慢じゃないが、僕は全ての町の構造を記憶している!(本当に何の自慢にもならないな……)

懐かしいメロディーに涙せよ!

先ほどの話のついでに、「オリジナル版と変わっていない部分」についてもう少しご紹介させていただきます。

それは「音楽」です。

名曲が多いことで知られるFFシリーズですが、中でもFF4は特に音楽が印象深い作品でした。僕の私的ランキングですが、あの超有名な『ファイナルファンタジー メインテーマ』がもっとも似合うのは間違いなくFF4ではないでしょうか(実際、他のシリーズ作品よりもメインテーマが使われている場面が多い)。

もちろん、メインテーマだけでなく、フィールドのBGMや戦闘BGM、『リディアのテーマ』や『赤き翼』など、FF4には数え上げたらきりがないほどの良曲がそろっています。そしてそれらのBGMが、今回のリメイクではアレンジもほとんどされず原曲のまま使われているのです!

これは個人的に、今回のリメイクで一番嬉しかった部分でした。

ドラマチックなストーリーが音楽でさらに盛り上がる!

余談になりますが、人間の五感の中で、ゲームに関係してくるのは「視覚」と「聴覚」ですよね。そして、記憶中枢をより深く刺激するのは「聴覚」の方です。たとえば、昔よく聞いていた曲を久しぶりに聞くと当時を思い出す……という経験は誰にでもあるでしょう。それはゲームとて例外ではありません。

実際、リメイク版FF4のオープニングシーンで流れる『赤き翼』を聴いた瞬間、僕の脳みそは一瞬にして小学生の頃に戻ってしまいました。もともとお前の脳は小学生並みだろ、というツッコミは置いとくとして、つまりこれこそが音楽の凄さなのです。

グラフィックを一新することにより「視覚」には新鮮さを与えつつ、音楽を原曲のまま使うことで「聴覚」には懐かしさを感じさせる……。

こうした制作スタッフの絶妙なバランス感覚には、素直に拍手を送りたい気持ちで一杯です。

……そうはいっても若干アレンジされている曲があったり、そもそも音源がニンテンドーDSなので多少印象が変わった曲もありますが、それはレアケースですので、むしろ違いを楽しんでいくべきでしょう。

「ジュークボックス」では作中の音楽が好きな時に聴ける。ギルバートの一言コメントつきだ