米Motorolaは出荷台数が4,540万台と前年同期から落ち込んだ唯一のメーカーとなった。シェアも減少し17.7%とNokiaの半分にまで下落した。前期は過去最高の売上高とシェア(22.3%)を記録したが、今期は特にヨーロッパと新興市場が不振で出荷台数は前期比マイナス30%と季節要因以上の落ち込みとなっている。携帯電話部門の売上高は前年同期比15%減の54億1,200万ドルで、これは前期予想の約半分と事態は深刻である。

同社は昨年から新興市場でのエントリーモデルのシェアが増加しており、端末単価の下落から利益率が低下していた。今期はこの市場での出荷台数そのものが大幅に減少し、それがそのまま利益とシェアの大幅下落につながったようだ。また世界的なヒットとなったRAZRも発売から2年が過ぎたが、色を変えたカラーバリエーションモデルのリリースもそろそろ限界が感じられる。早急に次なるベストセラー製品を開発する必要があるだろう。

同社は第2四半期の売上も今期と同等を予想している。旧来プラットフォーム製品の打ち切り、Linux/Javaベース端末の積極的な投入、端末価格構成や流通の見直しなどにより今年下期には業績が回復するだろうとのことだ。同社は3G化とエンタープライズ向け端末で他社より遅れを取っているが、今期発表したBlackBerryキラーの3G MOTO Q、ビデオ機能を強化したRAZR Z8、Linuxベースの音楽携帯ROKR Z6などがシェア回復の鍵を握るものとなるだろう。