wizpyの名付け親は、公式には"ゆうこりん"の愛称でお馴染み、人気女性タレントの小倉優子さん。とはいえ、wizpyの製品ページを確認すると、パソコンとして(with PC)、またマルチメディアプレイヤーとして(with Player)利用でき、コンパクト設計(with Portability)でプライバシーとセキュリティが守られる(with Privacy)という製品コンセプトの説明が。4つのPを備えるので「withP」、そこから「wizpy」なのだろうが、本当の名付け親は誰なのか詮索するのは野暮というもの。

製品名はともかく、wizpyにはこれまでの"ポータブルプレイヤー"にはない機能が多い。この分類が妥当かどうかの議論はさておき、まずはwizpyをウィズピーたらしめている機能を総覧してみよう。

Turbolinuxプリインストールのフラッシュメモリ

wizpyには、Turbolinuxがプリインストールされている。wizpyにはメモリ容量の異なる2モデル(2 / 4GB)が用意されているが、システム用に一律約1GB+αの容量が割かれるため、2GBモデルは約0.9GB、4GBモデルは約2.8GBがフリーエリアとなる。"自分専用のPC"としての利用が喧伝されるwizpyだが、Turbolinuxを実行するためのCPUやVIDEO出力機能は持たないため、PCとして利用するためにはUSBブートに対応したPC本体が別途必要だ。

2GBモデル利用開始直後のメモリ使用状況。すでに空き容量は50%を切っている

USBメモリからブートするLinux

wizpyはFDISK形式でフォーマットされ、4つのパーティションが設けられている。2GBモデルを例にすると、約0.9GB確保された読み書き自由なユーザエリアがFAT32、Turbolinuxがプリインストールされた領域(EXT2)が700MB、ユーザ領域(ホームディレクトリ)として確保された領域(EXT2)が350MB、ブート領域(FAT16)が16MB。普段はUSBメモリとして音楽や動画などのファイルをFAT32領域に読み書きし、Linuxとして起動したいときはCDエミュレーション機能をON、CD-ROMに見せかけてブートするという仕組みだ。

ホストPCに接続すれば、このようにブートさせることが可能

オーディオプレイヤー

オーディオプレイヤーとしての機能も備えている。対応するサウンドフォーマットは、再生がMP3とOgg Vorbis、WMAの3種。内蔵マイク(モノラル)を利用し、MP3で録音することも可能。FMチューナーも内蔵されているので、ラジオとしても活用できる。

イコライジング機能も用意されている

明るい有機ELとビデオ再生機能

wizpyには、160x128ピクセル / 26万色の1.71インチ有機ELディスプレイが搭載されている。決して大きいとはいえないサイズだが、画素が自発光するためコントラスト比に優れ、視野角依存も少ない点は、寿命の短さを除けば液晶より有利と考えられる。この有機ELを利用した動画再生機能も、当然wizpyのウリの1つとなる。

有機ELの明るく見やすい画面