wizpyの本体前面には、3つのボタンが3列、計9つのボタンが配されている。上下左右のボタンには小さな突起が設けられ、ボタンを見ることなく操作できる一工夫が。音楽再生時(MUSICモード)には、上下ボタンで音量調整、左右ボタンで曲の移動、という利用頻度が高い機能がアサインされている。

オーディオプレイヤーとしての機能は、iPodやWalkmanに慣れた身には簡素すぎるほど。フォーマットはMP3とWMA、Ogg Vorbisに対応するが、DRM付きの楽曲は再生できない。カバーアートの表示がサポートされないため、せっかくの有機ELディスプレイも生きてこない。音質はといえば、付属のイヤフォンは正直今ひとつだったが、普段利用しているaudio-technicaのATH-A500に差し替えたところ、それなりの音質で楽しめた。付属のイコライザはユーザ定義が可能なうえ、POPやJAZZなど6種類のプリセット値も用意されているので、気軽に試せる。

気になったのは、選曲の難しさ。操作自体は容易だが、iPodのようにアーティスト名やアルバム名、ジャンルといった属性情報でソートしてくれるわけではなく、wizpyに転送する時点でフォルダに分けて保存するなりの工夫が必要。プレイリストや(iPodの)On-The-Goのような再生順をカスタマイズする機能も実装されていないため、フォルダ内の曲を一直線に聴く、という使い方にならざるをえない。

歌詞の表示は可能だが、設定はかなり面倒。SETTINGモードから「Lyric設定」をONにしたうえで、音楽ファイルと同名の歌詞ファイル(*.lrc)を同じフォルダ上に保存すればいいのだが、付属のリッピング/エンコードソフト「TurboAudioRipper」は歌詞機能に対応しないため、すべて手作業となる。

このようなメニュー画面が用意されている

アートワークが表示されないので、再生時の画面はかなりアッサリ。アートワークはKDEアプリの「Amarok」で自動取得できるが、wizpyでは表示できない

イコライジング機能も用意されている

音楽CDからのリッピング/エンコードに使用する「TurboAudioRipper」