wizpyのウリの1つが、明るい有機ELを生かした動画再生機能。ディテールの表現力に乏しい、字幕が見づらい、といった160x128ピクセルという画面サイズゆえの制約はあるものの、音楽ビデオクリップなど雰囲気重視のコンテンツならば気にはならないはず。メーカーの公称値によれば、圧縮率次第では最大13時間程度(空き容量が約2.8GBの4GBモデル)の動画を保存できるとのこと。2GBモデルでも最長約4時間もの動画を収録可能になるので、撮り貯めたドラマなどのテレビ番組を電車内で見る、という用途にも対応できる。

動画の作成には、現在β版で提供されている「DVDリッピング & エンコード」、またはXViDに対応した任意のエンコーダを利用する。テスト時点では、前者はwizpyユーザのみ参加可能な「wizpy Club」、登録にはシリアル番号が必要)経由でしか入手できなかったため、フリーウェアのエンコーダ「ffmpeg」を利用して作成したが、問題なく再生できた。Windowsユーザならば、「携帯動画変換君」などのツールを利用してもいい。動画 / 音楽をキャプチャする周辺機器は、Windows用がもっとも充実しているという現実を考えると、ソースの一時保管所であるWindowsでの作業がおそらくベストだろう。

MP3エンコーダ「lame」は出荷時点では収録されていないため、wizpy Club経由で入手しなければならない

動画の生成にはffmpegをエンジンに使用する「携帯動画変換君」を利用した

画質だが、液晶の輝度が高いこともあり悪くない印象。フレームレートは最大20fpsということでカタつきも懸念されたが、160x128というピクセル数も手伝ってか、さほど気にならなかった。大型画面で見るクオリティとは明らかに異なるため、wizpy専用にエンコードする手間はあるが、一度見たら削除という使い方には十分足りる性能だといえる。

再生時には本体を90度回転させなければならない