アプリケーションプラットフォーム関連の強化ポイント

アプリケーションプラットフォーム関連という点では、Windows Server "Longhorn"は、以下のような機能を統合したプラットフォームになるという。

  • インターネット インフォメーション サービス(IIS7)
  • Windows Workstation Foundation
  • Windows Communication Foundation
  • IDフェデレーション

なお、IDフェデレーションとは、Active Directoryのフェデレーションサービスを強化したもので、この機能を利用すれば、異なる企業の社員が情報共有することも容易になる。

オープンなWindows Serverであるために

Windows Server "Longhorn"におけるキーワードの1つに相互運用性がある。マイクロソフトでは、同サーバがマイクロソフト製品に閉じたものにならないよう、さまざまな配慮を加えている。

まず、他システムとの接続性を考慮し、IEEEやW3C、WS-Iなどの標準化団体が制定する多くの標準仕様に準拠させた。加えて、昨年同社が宣言した「Microsoft Open Specification Promise(OSP)」を守り、さまざまな実装技術を外部に公開したうえ、Interop Vendor Allianceなどで得た他社ベンダーからのフィードバックも積極的に取り込んでいる。

SUSE LinuxやXenといった外部技術との相互運用性も確約されており、従来のバージョンと比べ、さらにオープンなサーバになっている。

仮想化時代を見据えたライセンス体系

Windows Server "Longhorn"では、今後本格化するであろう仮想化時代を見据えて昨年制定した新たなライセンス体系を引き継ぐ予定だ。

これまでのライセンスは、インストールベースで課金するシステムになっていた。しかし、「仮想化環境では1つのソフトウェアから複数のインスタンスが生成されることが多いため、従来のライセンス体系では対応しきれず、利用者側からも戸惑いの声が上がっていた」(レイン氏)。

こうした状況を改善するために、マイクロソフトでは、インスタンスベースのライセンス体系を新たに作成した。具体的には、Enterprise Editionでは4つの仮想インスタンスで実行可能であり、Datacenter Editionでは仮想インスタンスに対して無制限で利用可能になっている。

以上のような特徴を備えるWindows Server "Longhorn"の正式リリースは2007年下期が予定されている。今後は、Beta3に対して寄せられたフィードバックを順次取り込み、安定性の向上が図られる見通しだ。

最初のバージョンが公開されてから間もなく2年。進歩の早いITの世界で長期間にわたり開発が続けられてきた新サーバOSは、いよいよ最終段階を迎えた。