MA(マーケティング・オートメーション)とCCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント)の違いはご存知でしょうか。混同されがちなこの2つの概念ですが、目的や効果が発揮されるシーンは異なります。CCCMは、デジタルマーケティングが発達した現代において重要なマーケティング手法のひとつとなっています。この記事では、CCCMの概要と主な機能、MAとの違いについて解説します。

CCCMとは? 顧客ひとりひとりに合った最適なアプローチ手法

CCCMとは「クロスチャネルキャンペーンマネジメント」のことです。クロスチャネル、つまり複数のチャネルを横断して、顧客と「one to one (一対一)」のコミュニケーションを取る仕組みやソフトウェアを指します。従来のチャネルといえば、直接店舗に来てもらうことを目的とした雑誌広告、テレビCMなど手段は限られていました。また、広告やCMは企業から多数の潜在顧客に向けた「一対多」のコミュニケーションであり、それぞれの顧客ひとりひとりに訴えかけるものではありません。

しかし、インターネットやスマートフォンの普及により、あらゆる物事がオンライン上でやりとりされるようになってきました。情報があふれるなかで、情報の取捨選択もシビアになり、顧客の価値観と行動の多様化が進んでいます。そうした状況を背景として、それぞれの顧客に合った最適な情報を最適な手段でアプローチするための手法がCCCMです。

CCCMとMAの違いは? BtoCで顧客とコミュニケーションを図るのがCCCM

MA(マーケティングオートメーション)も、それぞれの顧客に合った最適な情報を最適な手段でアプローチするという目的に関してはCCCMと同じです。しかし、MAはBtoBまたはBtoC向けの見込み顧客管理の手法・ソフトウェアについて使われるのに対し、CCCMではBtoC向けの手法・ソフトウェアそのものを指します。さらに詳しく見ていくと、MAとCCCMではそれぞれが生み出された背景や重視される機能にも違いが見られます。

MAでは「リードナーチャリング」と呼ばれる手法を使って、リード(見込み客)を適切に管理して購買へとつながる優良顧客へと育てることが目的です。リードとなるターゲットの抽出から、メールマガジンやWEBコンテンツを使った購買意欲の向上施策まで、分析ツールやメール配信機能を活用して一元管理しています。

一方、CCCMは自社の持つマーケティングツールを通して、顧客とのコミュニケーションを図ることを目的としています。複数のチャネルでキャンペーンや宣伝を行い、商品やサービスの良さを知ってもらうために利用される仕組みです。

CCCMではクロスチャネルとタイミングが大切!

CCCMの主な機能について、4つに分けて解説します。

顧客データの収集・分析

それぞれの顧客に対して適切なキャンペーンを打つためには、顧客の正確な情報が必要となります。顧客データには、実店舗での購入実績やWEBサイトの登録データ、SNSアカウントやスマートフォンの位置情報などが含まれます。CCCMではこれらの情報を統合的に管理することが可能です。たとえば、位置情報や住所からは「毎日同じ駅を通勤で使う」こと、SNSアカウントからは「写真をよくSNSにアップロードする」ことなどがわかり、それぞれのユーザ属性でターゲットの絞り込みができます。

複数チャネルでのアプローチ

インターネットを利用した顧客へのアプローチというとメール配信が真っ先に浮かびますが、CCCMではクロスチャネルがポイントとなります。メールに限らず、アプリのプッシュ通知やLINE、SNSでのコミュニケーションも取り扱います。

シナリオに沿ったマーケティングの自動化

はじめにターゲットとなる顧客層を明らかにし、その顧客層が興味を持ちそうなキャンペーンを設計します。CCCMでは、どのタイミングでどのチャネルを使って顧客に働きかけるかをあらかじめ設定しておくことで、自動的にメッセージやメールを配信することができます。

one to one(一対一)のコミュニケーション

蓄積したデータから、顧客に合ったキャンペーンを実行することができます。たとえば、写真をよくSNSにアップロードする顧客であれば、「商品を実際に購入し、使っているところを写真に撮ってアップロードすれば、次回割引が受けられる」というようなキャンペーンには訴求力があるでしょう。

CCCMは個人としての顧客に対応した効果的なマーケティングツール!

CCCMは、ひとりひとりの顧客に対して最適な情報を最適なタイミングで届けるためのツールです。企業向けのマーケティングツールであるMAと違い、CCCMはさまざまな価値観や行動様式を持つ個人に対するマーケティングツールなのです。そのため、クロスチャネルという部分がポイントとなってきます。CCCMを使いこなして効果的なマーケティングを進めていきましょう。

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