■事例先企業情報
企業:横河電機株式会社
所在地:東京都武蔵野市中町2-9-32

横河電機株式会社は生産設備の制御・運転監視ソリューションなどを提供する、制御/計測機器分野のグローバル企業。80カ国で事業を展開し、売上比では海外部門が7割を占める。データウェアハウスを構築し、早くからデジタルトランスフォーメーションに取り組んできた同社にとり、分析処理に要する時間の長さは、インサイトの発見や予測型AI開発の困難さにもつながっていた。Snowflakeデータプラットフォームの圧倒的な処理速度の速さは、アナリストの生産性向上に加え、同社のビジネスへの予測型AI実装にも大きな役割を果たしている。

■ご利用のSnowflakeワークロード
・データレイク
・データウェアハウス

■ストーリーハイライト 分析処理速度の飛躍的な向上
レイテンシを意識せずグローバルで運用
開発サイクル高速化でAI開発を促進

課題:分析処理に要する時間の長さがデータアナリスト業務の障害に

横河電機株式会社は、80カ国230拠点で事業を展開する、制御/計測機器分野のグローバル企業。売上比では海外部門が7割を占め、生産設備の制御・運転監視ソリューションの提供などを通し、エネルギー、製造業、医薬品・医療など多様な産業の発展を支えている。

同社は従業員の生産性の20~30%向上という目標を掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを2018年からスタートしている。その進捗状況をデジタル戦略本部の山下 純子氏はこう説明する。

「よく言われるようにビジネスユニットや機能、対象ユーザー・リージョンにより分断化されていた業務プロセス・システムの統合は、当社にとっても大きな課題になっていました。それらを統合推進すると共に積極的に取り組んできたのが、信頼性を第一にする組織から機敏性を重視する組織へのIT部門の意識改革でした。すでに当社のIT部門は、コストセンターからビジネス部門と共に最前線で戦える組織へと変貌しています」(山下氏)

DXで求められるデータドリブンな組織への移行において大きな役割を果たしているのが、山下氏のグループが手掛けるセルフBIと呼ばれるシステムだ。売上などの基幹システムのデータに加え、詳細な出荷情報や顧客情報まで一元的に管理し、BIツールによるビジュアライズが可能にするシステムは、データアナリストだけでなくビジネス部門の担当者の気づきにも大きな役割を果たしている。

セルフBIにより「何が起こったか、分かる」「なぜ起こったか、分かる」を実現した同社は現在、次のステップとして掲げる「何が起こるか、予測できる」の実現に向けて予測型AIの開発に取り組んでいる。だが一方で同社のDXには大きな課題も存在した。それは、セルフBIを運用するデータプラットフォームが分析処理に要する時間の長さだった。

「セルフBIには、約100名のデータアナリストとビジネス部門のユーザーを合わせ数千人がグローバルにアクセスしていますが、大きな課題として浮かび上がったのが、データウェアハウス(DWH)の分析処理の遅さでした。特にアナリストからは、『1回のクエリ処理に時間が掛かりすぎるためインサイトが見つけにくい』、『このスピードでは有意な分析結果は得られない』という声が上がっていました」(山下氏)

速さを巡る問題の解決は、同社のDXにおいて避けて通ることができない課題になっていた。

解決策:実証実験で圧倒的な速さを実感Snowflakeを新たな基盤に採用

山下氏のチームがより高速なDWHを求める中浮かび上がったのが、Snowflakeのデータプラットフォームだった。

「海外スタッフから『これは速そうだよ』と聞き、その存在を知ったのがSnowflakeでした。2020年当時、日本ではサービス提供されていなかったため、AWSシンガポールリージョンを使い、実証実験を行いました。レイテンシの問題もあり、あまり成果は期待していなかったのですが、既設DWHと比較すると、その違いは明らかでした。日本国内でもサービス提供がスタートしたことを受け、2021年1月にSnowflakeを導入しました」(山下氏)

選択の背後には、既存DWHを構築していたAWS内で移行が完結するメリットもあったという。同社は同年1月から3月にかけてパフォーマンス検証を実施。4月からはセルフBI基盤として本格運用をスタートするとともに、予測型AIデータ分析の基盤としても運用を開始している。その際、山下氏率いるチームの宮本氏が高く評価したのはDWH構築の容易さだった。

「従来のDWHの場合、特にデータレイクのチューニングの負荷は大きく、構築は複数のベンダー側エンジニアに参加いただくかなり大規模なプロジェクトになりました。しかしSnowflakeの場合、新たにプロジェクトを立ち上げる必要もなく、データベースの基本知識程度しか持たない我々だけで構築できています。困ったときはSnowflakeの担当者に問い合わせたりもしましたが、それも1、2回程度のことでしたね。運用面でも、専門的なデータベースエンジニアの必要なく、スムーズな運用が実現できています。また圧倒的な速さが関係しているのだと思いますが、以前のようにレイテンシを気にすることなく、リージョンを問わない運用が実現したことも導入効果の一つです」と宮本氏は当時を振り返る。

分析処理に行き詰まっていた予測型AIを半年で2つビジネスに実装

結果:開発サイクルの高速化がAI開発の進捗を支援

Snowflakeによる分析処理の劇的な高速化は、DX推進における大きな成果につながっている。

「分析処理の高速化への評価は、社内的にも極めて高く、先日も海外のデータアナリスト部門のリーダーから『Snowflakeにより、業務が画期的に変わりつつあります』というメールが届いたところです。IT部門の観点でもSnowflake導入効果は極めて大きいのですが、導入から1年足らずの間に2度の表彰を受けたことはその分かりやすい例と言えるかもしれません。IT部門の取り組みがビジネス部門から評価されるまで、これまでは1、2年のタイムラグが空くことが当り前だったことを考えると、Snowflakeが果した役割は極めて大きいと考えています」(山下氏)

分析処理に要する時間の劇的な短縮化は、山下氏のチームが取り組む予測型AI開発においても大きな役割を果たしている。予測型AI開発は、ビジュアライゼーションによりデータ間の関連性やその傾向を見つけ出し、予測モデルを作成してテスト運用を行い、予測結果と実際のデータをビジネス部門のユーザーにデリバリーし、レビューに基づきチューニングを行うというサイクルを何度も繰り返し、精度を上げていくことが一般的だ。

同グループの金氏は、 「予測モデルは一つではなく、製品やリージョン、商流などの違いに応じて作成する必要がありますが、予測精度を向上させるには、そのモデル一つ一つについて、チューニングを何度となく繰り返す必要があります。しかし処理速度に制約があると、ビジネス部門からのフィードバックを受け、新たな予測結果を返すまでに時間が空いてしまいます。その結果、最初は意気込んで取り組みをスタートしたビジネス部門の担当者も『やはりAIは難しいね』という話になってしまうことがこれまでは少なくありませんでした。Snowflake導入後、すでに2つの予測型AIをビジネスに実装していますが、処理時間短縮化による開発サイクル高速化が大きな役割を果たしています」(金氏)

同社は、AIプラットフォームとして「H2O Driverless AI」を利用しているが、その予測モデル構築もSnowflake上で行えるため、極めて効率的なAI開発が実現している。

将来:業務に即したAIが誰でも簡単に構築できる環境を実現したい

Snowflakeのデータプラットフォームによって実現した予測型AIは、すでにデータドリブンな経営判断に大きな役割を果たしつつあるが、同社は今後もAI開発に力を入れていく考えだ。「たとえば製品在庫を見ても、これまでは在庫を極力減らすことが大きな課題でした。しかし在庫予測を通して見えてきたのは、その結果、逆に販売機会ロスが生じているという現実でした。今後は、部品在庫や仕掛在庫の最適化においてもAIによる予測を積極的に活用していきたいと考えています」さらに同社が掲げるデータ活用の民主化という課題でも、Snowflakeには大きな期待が寄せられている。金氏は、

「当社がセルフBIの次の課題として掲げるのはセルフAIの実現です。データ間の関連を見つけることさえできれば、AI開発自体は決して難しくありません。実際、当部署の例では1年間の共通プログラムを経て配属された入社2年目のエンジニアがAI開発に成果を挙げています。今後私たちは、Snowflakeのデータプラットフォームを活用し、データ分析の敷居を下げ、その取り組みを全社的に展開していきたいと考えています」(金氏)

と将来展望を語った。データドリブンな意思決定に向けて、Snowflakeのデータプラットフォームは今後さらに大きな役割を果たすことになりそうだ。

Snowflakeについて

Snowflakeは、Snowflakeのデータクラウドを用い、あらゆる組織が自らのデータを活用できるようにします。お客様には、データクラウドを利用してサイロ化されたデータを統合し、データを発見してセキュアに共有し、多様な分析ワークロードを実行していただけます。データやユーザーがどこに存在するかに関係なく、Snowflakeは複数のクラウドと地域にまたがり単一のデータ体験を提供します。多くの業界から何千ものお客様(2021年7月31日時点で、2021年Fortune 500社のうちの212社を含む)が、Snowflakeデータクラウドを自社のビジネスの向上のために活用しています。詳しくはsnowflake.comをご覧ください。

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※本記事はSnowflakeから提供を受けております。

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