働き方改革が追求されてきた中でコロナ禍が多大な影響をもたらし、在宅勤務が劇的に普及した。この流れを受け、電話を中心に顧客の問い合わせ対応を担当するコンタクトセンターにおいても、リモートワーク・ハイブリッドワークの実現は重要なテーマとなっている。場所を選ばず、どこからでも柔軟かつ安定してコンタクトセンター業務を行えるようにするにはどうすればいいのか。本記事ではその最適解に迫る。
在宅コンタクトセンター推進に向け直面する課題とは
多様な働き方を求める社会背景もあり、コンタクトセンターでも1カ所に集まり業務を行う従来の運営方法の見直しが求められている。リモート化を実現するにあたって、コンタクトセンターのソリューション提供を手掛けるアイティフォーの営業を担当する宮坂和昭氏が大きくふたつの課題を指摘する。
まずはハードウェアなどのシステム面だ。「在宅にシフトするにはサーバーや電話機などの設備投資が必要となり、初期コストが高いことに加えて、運用や保守メンテナンスのコストもかかります。在宅勤務環境が整うまでにかかる期間も課題です。また利用しているシステムの制約から、リモート環境で電話を受けるのが難しい場合もあります」と宮坂氏は述べる。さらにほぼすべてのコンタクトセンターで扱っている個人情報はセンシティブな機密情報であるため、在宅勤務へ一足飛びに移行しづらい傾向があるという。
次に、トラブル時のサポート体制の課題だ。近年は“カスハラ”(カスタマーハラスメント:企業や従業員が顧客や消費者から受ける嫌がらせ)が社会的課題として注目されており、コンタクトセンターのオペレーター業務は最もカスハラを受けやすい業務のひとつである。従業員をカスハラから守ることを含め、顧客とのやり取りを管理者が逐一把握しトラブル時もサポートする必要があるが、在宅で働く状況では即時支援が難しいという懸念がある。
しかし実際には、コロナ禍を機にリモートへ移行したコンタクトセンターも多い。「当初はやむを得ず在宅勤務を実施したところ、リモートで対応も問題なく行えることに気づき、定着した企業も少なくありません」と宮坂氏。“在宅コンタクトセンター”は一定程度浸透しつつあるようだ。
クラウド型ソリューション導入で多様なハードルを解消
宮坂氏の話から、コンタクトセンターのリモート化には、その実現をサポートするシステムの導入が鍵となることがわかる。そこで注目したいのが、アイティフォーがソリューションとして提供するクラウド型コンタクトセンタープラットフォーム「CXone(シーエックスワン)」、及びコンタクトセンター向け音声テキスト化サービス「Omnis(オムニス、以下Omnis)」だ。
それぞれのソリューションについて、 「まずCXoneは、あらゆるコンタクトセンターの機能をクラウドで提供するシステムで、ネットワーク環境とPCがあればいつでもどこでもコンタクトセンターを始められます。またOmnisは、オペレーターと顧客の会話をリアルタイムでテキスト化し、会話内容を可視化して、管理者業務をサポートします」と宮坂氏。 CXone+Omnisという形でのソリューション導入によって、宮坂氏が先ほど挙げたコンタクトセンターリモート化のふたつの課題も解決するという。
まずは立ち上げの課題だが、CXoneはクラウド上にコンタクトセンター機能が用意されているため、初期コストを抑えながらも、素早く在宅環境を整えることが可能だ。海外の事例として、2000席規模のコンタクトセンター全体の在宅勤務がわずか2週間で実現した事例もあるという。セキュリティについても、クラウドのプラットフォーム上で高度なセキュリティレベルが保たれ、安心して活用できる。
そしてリモート環境で従事するオペレーターのサポートに関して、CXoneにはオペレーターの状況を視覚化し、管理を一元化する機能が備えられているという。加えて、Omnisによってリアルタイムの会話を管理者が把握でき、トラブルの兆しがあった場合もすぐ支援に入ることができる。さらにアイティフォーはカスハラ未然防止に力を入れており、コンタクトセンター向けイベントでもカスハラ対策ソリューションを出展して好評を得たとのことだ。さらに、オペレーターの感情分析やFAQ回答候補の自動表示といった機能も搭載している。AIによる会話内容の要約で業務改善や応対品質向上に役立てることも可能だ。
CXoneは数席程度から1000席を超えるセンターまであらゆる従業員規模に対応している。ニーズに合わせて必要な機能を利用でき、かつ柔軟に追加・拡張できるところもクラウドのメリットだ。一方のOmnisはオンプレミスでもクラウドでも導入できる。CXone+Omnisの組み合わせはまさにコンタクトセンター運用をトータルで変革できるソリューションといえるだろう。
このソリューションを、アイティフォーを介して導入することで得られる優位性について宮坂氏はこう話す。 「当社はコンタクトセンター向けビジネスを20年以上にわたって展開し、そこで得たノウハウをもとに最適な提案が可能です。実は当社コンタクトセンターもCXoneを活用しているため、ユーザー側の視点に立って提案できる点も強みです。実際に当社センターを見学していただくこともできます。さらにカスタマーサポートも充実しており、お客様から好評をいただいています」
プロ向けヘッドセットがオペレーター負担軽減に効果を発揮
コンタクトセンターのリモート化に際しては、周辺デバイスの性能も鍵となる。PCやプリンターといった機器に加えワークプレイス向けデバイスのグローバルブランド「Poly」製品も提供する日本HPで、Poly製品の市場開発やパートナー支援を担う菊池龍太氏は「日本HPは、音声会議やビデオ会議、ヘッドセットなどの多様な製品ラインナップで、お客様のニーズに合わせたハイブリッドワークの実現と多様な働き方を支えるソリューションを提供しています。 」と語る。
またコンタクトセンターで使われるデバイスについて次のように話す。 「コンタクトセンター向けヘッドセットとしては、やはり一日中使い続けるものであるため、まずはとにかく軽量で、体への負担を抑える製品が求められます。加えて会話に集中するため、相手の声を聞こえやすくし、生活雑音を排除するノイズキャンセリングやノイズブロックの機能も必須です。Polyブランドのヘッドセットはそういったニーズのすべてに応える仕様になっており、安心して選んでいただけます」(菊池氏)
コンタクトセンター向けヘッドセットシリーズ「Poly EncorePro」は、航空機に使われる合金を材料に採用することで軽さと堅牢性と両立し、どちらの耳でも使いやすい、ミュートを手軽に行える、といったこだわりが盛り込まれ、まさにプロフェッショナル向けの製品だ。さらに企業向けに保守等のサポートも充実。実際に製品を販売するパートナー企業によって高いクオリティのサービスが提供されるのも、Polyすなわち日本HPの製品を導入することで得られるメリットだ。
ちなみにPolyブランドでは、ヘッドセット以外にも、リモートとオフィスの会議室間でハイブリッドの快適なコミュニケーションをサポートする多彩なビデオ会議向けソリューション等を提供している。
手間なく安定したネットワーク利用を実現するPC&サービス
コンタクトセンター業務に適した日本HPのPCについては、日本HPでパートナー向け営業を担当する川田隼氏が紹介する。 「データ通信を5年間無制限で利用できるサービス『HP eSIM Connect』対応のモバイルPCをご用意しています。PCを開けばKDDIの安定したau回線につながり、テザリングやWi-Fiへの接続といった操作を意識することなく、いつでもどこでも通信を快適に利用できます」
HP eSIM ConnectはモバイルPCにビルトインされた機能として利用できるもので、物理的なSIMカードやモバイルWi-Fi等を管理する手間もない。さらに、5年間のネットワーク使い放題サービスが付帯されている形であるため、通信コストを意識する必要がない点がメリットだ。 対応PCは多彩なモデルがラインナップされている。その中でも川田氏がいま推したいと語るのが「HP ProBook 445 G11」だ。
「コストを抑えながら高いパフォーマンスを発揮するAMD製プロセッサを搭載した14インチPCです。Polyの技術を活かしたオーディオチューニングが施され、リモートのコンタクトセンター業務に向いているのはもちろん、ディスプレイも余裕がありながら持ち運べる画面サイズなので、さまざまなハイブリッドワークにフィットします」(川田氏)
ここまで、アイティフォーが提供するコンタクトセンターソリューションと、その業務及び運用をサポートする日本HPの製品・サービスを見てきた。コンタクトセンターのリモート化を実現するうえでそれぞれに優位性があるのはもちろんだが、双方を組み合わせることで利便性はさらに高まるだろう。
宮坂氏は最後に「CXone+OmnisとHP eSIM Connect対応PCで、自宅にWi-Fiがないオペレーターも大きな設備投資なくコンタクトセンター業務を始められますし、Poly製品を使えば負荷を軽減しながら生産性も高められます。当社としても組み合わせた形で在宅コンタクトセンターをご提案し、より働きやすい環境の実現をご支援していきたいと考えています」と語り、これに川田氏も「当社としてもさまざまな製品・サービスにより、コンタクトセンター業務に従事する皆様のワークライフバランス実現や生産性向上に寄与していきます」と応じた。
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