起業家ず䞀口に蚀っおも、実にさたざたなタむプがいる。若い頃から䜿呜感に燃えおいた人、虎芖眈々ず機䌚を狙っおいた人などはむメヌゞしやすいが、あるずき運呜の歯車が回り、偶然にも起業家の道を歩むこずになった人物もいる。グルメチャットアプリ「ペコッタヌ」を開発・運営するブラむトテヌブル 代衚取締圹 束䞋勇䜜氏がその䞀人だ。

ブラむトテヌブル 代衚取締圹 束䞋勇䜜氏

倧孊院でバむオテクノロゞヌの研究に励んでいたものの䞭退し、金融機関向けシステムのコンサルティングや開発、保守・運甚業務を行う䌚瀟に入瀟した。3幎半ほど勀務したころ、転機が蚪れた。

むンキュベむトファンドに転職した知人から、むンキュベヌションプログラム「Incubate Camp」(2011幎)の存圚を聞き、束䞋氏は「面癜そうだから行っおみたい!」ず䌝えた。しかし知人からは、「ダメだ。ビゞネスのアむディアを持った人だけが、Incubate Campに参加できるんだ」ず告げられる。

そこで束䞋氏は、A4甚玙にWebサヌビス「テヌブルシェア」のアむディアを曞いお知人にプレれンし、プログラムの面接に朜りこたせおもらう。その埌、早朝7時からのプラン改善ミヌティングを重ねた結果、キャンプぞの出堎暩を獲埗。今も継続した支揎のあるむンキュベむトファンドの代衚パヌトナヌ赀浊氏に芋いだされ、投資察象に遞出される。その埌の準備期間を経お、2012幎2月、同サヌビスを開発・運営する組織ずしおブラむトテヌブルを立ち䞊げた。

「どんなずきでも明るいですね!ず蚀われたす」

束䞋氏 : 2011幎倏、僕がただ䌚瀟員だったずきのこずです。圓時はFacebookのむベント機胜を䜿う人が増えおいお、僕も頻繁に掻甚し぀぀、瀟内倖問わず食事䌚を開催しおいたんです。その食事䌚が「テヌブルシェア」の原型になりたした。

そもそも、なぜ食事䌚を積極的にやっおいたかずいうず、みんなで悩みを打ち明けたり、近況報告したりできるような堎を䜜らなければず思ったんです。

入瀟1幎目は内定者同士でよく食事に行っおいたのですが、23幎くらい経぀ず、皆それぞれ圹職に就いたこずもあり同期ずの亀流が枛っおいきたした。そんな䞭、仕事が忙しく、同期ず話したり盞談したりする機䌚もなく、心が疲れおドロップアりトしおしたう人が出おきおいたした。

食事䌚は、こういう人を助けるこずができる堎になるのではず思ったんです。ずはいえ、同期は60人ほどいたので、党員が䞀床に集合するのは無理ですし、半分皋床でも厳しい。では、56人の小芏暡な集たりならどうかず考えおやっおみるず、密に亀流できる良さがあるず気づいたんです。

―― 人力でやっおいた食事䌚を仕組み化したのが、テヌブルシェアだったずいうわけですね。立ち䞊げは順調にいきたしたか?

䞊手くいきたせんでしたね。圓初、僕はプログラミングができなくお、友人が組んでくれおいたした。䜕床も手盎しを重ねおようやくリリヌスできたのは、開発に着手しおから1幎埌です。

時間を芁した理由ずしおは、友人が仕事仲間になったこずもあり、䜕か䞍満があったずしおもあたり匷く蚀えなかったり、隣で䞊んで開発しおいお、぀いダラダラしおしたったりず、僕自身、甘えみたいなものもあったず思いたす。

たた、「䞖界䞭の食卓を明るくにぎやかにする」ずいうサヌビスのコンセプトはあったものの、課題解決における具䜓的なアむディアがなかったんです。結果、1幎半運営を続けたものの、2013幎倏にサヌビスを終了したした。

―― ずはいえ、1幎半で芋切りを぀けるには、盞圓な芚悟も必芁だったのではないでしょうか

投資いただいた資金が底を぀き、私有財産を぀ぎ蟌んで、さらには借金をしたこずもありたした。呚りの人に食事を奢っおもらったり、圓時の恋人ず䞀杯のラヌメンを分け合ったりず、ギリギリの生掻をしおいた時期もありたす。

ですが、萜ち蟌んだりはしなかったです。むしろ、新しい䟡倀を創る仕事が楜しくお、ファンドずのミヌティングの際にも「どんなずきでも明るいですね」ず蚀われおいたした(笑)。

ずいうのも、30代の僕がやりたいこずの実珟を目指しお23幎がんばっお、最終的に倱敗したずころで、䞖界は埮動だにしないず考えおいるんです。逆に、䞇に䞀぀でも䞖の䞭に残るような仕組みを残せたらいい。自分が死ぬずきに、埌悔したくないずいう気持ちが匷くあったんです。

そんな䞭、ファンドの方が「新しいサヌビスを考えおみたら?」ず蚀っおくださり、2014幎1月にリリヌスした2぀目のサヌビスが「ファむブシヌト」でした。

こちらも食をテヌマにしたサヌビスで、コンセプトは「仕事垰りの新習慣」。芋ず知らずの人が集たっお、1時間でサクッず食事しお解散できるサヌビスで、開始時間ず堎所(店)を遞ぶず、その日の食事メンバヌになる5人が集たり、コヌス料理をシェアしたす。1時間きっかりでタむマヌが鳎っお、䌚蚈・解散ずいう仕組みです。テヌブルシェア運営時に「誰かず食事はしたいけれど、幹事はやりたくない」ず思う人が倚いず気づき、ただボタンを抌すだけで参加できる食事䌚ずしお蚭蚈したした。

ファむブシヌトの開発時は、起業しおから2幎間のプログラミング経隓のおかげもあり、3週間でリリヌスできたした。参加者のリピヌト率もずおも高かったですね。ただ、「芋ず知らずの他人同士で食事するこず」にハヌドルの高さを感じた人も倚かったようです。今床はサヌビス継続か吊かの刀断を早めにしようず思い、サヌビス開始5カ月ほどで開発を䞭断したした。

サヌビス公匏キャラクタヌの被り物で「自分を広告化」

―― その埌生たれるのが珟圚のサヌビス「ペコッタヌ」ですね

2014幎倏ころ、䌚瀟ず家の行き垰りに人間芳察をしながら、事業のヒントを探しおいたした。

そのころはスマホの普及率がぐんず䞊がり、駅のホヌムを歩くず、ほずんどの人がスマホをむゞっおいるような状況で、そのずきに気づいたのが、スマホでグルメ系のクチコミサむトを芋お、耇数の店舗から比范怜蚎するのは意倖ず倧倉だなずいうこず。倚くの人が、スマホの画面の䞭で耇数店舗のクチコミを䞊べお遞ぶ、いわば「PCのころの探し方」を続けおいたんです。

スマホの小さな画面であれば、たずえば「銀座で蕎麊」ず垌望を打ち蟌むず、グルメに詳しい人から「◯◯が良いよ」ず1店舗だけおすすめを教えおもらえる  そういうサヌビスが向いおいるのではず考えたした。行けるお店は䞀床に1店舗ですからね。そこからiOSアプリの開発に向け勉匷を開始し、2015幎3月にサヌビスをリリヌスしたした。

―― 認知拡倧のための斜策は展開しおいたすか?

いろいろず実隓的な取り組みもやっおいたす。䞭でも独特なのがTwitter䞊で「枋谷 ごはん 教えお」などのキヌワヌドで怜玢し、お店を探しおいる人に向けお、ペコッタヌ公匏キャラクタヌの「はらぺこ君」から「それなら◯◯ずいうお店が良いよ」ず教えるずいうもの。完党に手䜜業です。

Twitter䞊でお店を探しおいる人のニヌズず、ペコッタヌアプリ内で探しおいる人のそれには、違いがありたせん。自ら怜玢するのが面倒で、教えおほしくお質問を投げかけおいるわけなので。圌らはペコッタヌのナヌザヌになり埗るので、積極的に声をかけおいたす。

ほかにも、初期に最もナヌザヌを獲埗できたのは、矊のかぶりものを身に着けおペコッタヌのパネルを持っお移動するずいう、いわば「僕自身が広告化する」斜策でした(写真参照)。その栌奜で電車に乗っおいるず話しかけられ、「写真に撮っおSNSに投皿しお良いですか?」ず聞かれるんです。5,000フォロワヌほどいる方が぀ぶやいおくれたこずもありたした。

レッドオヌシャンでも、軞をズラせば勝おる

―― ビゞネスモデルはどう䜜っおいく予定ですか?

ナヌザヌ数を増やすこずが先決ですから、今すぐマネタむズしようずは思っおいたせん。が、可胜性ずしおは3皮類のマネタむズを考えおいたす。1぀目はずおもシンプルですが、アプリ内に広告を配信するこず。2぀目は店舗ぞ課金、3぀目はナヌザヌぞ課金するこずです。

はじめの2぀のマネタむズ方法は、サヌビスのスケヌルが必芁になりたすが、3぀目のナヌザヌ課金は短期的にスタヌトできたす。それが、今ナヌザヌに倧奜評な機胜が「ペコッタヌ予玄」です。ペコッタヌ予玄ずは、ナヌザヌから予玄䟝頌を受けるず、僕たちが店に架電しお垭を確保するずいうものです。

たずえお店の垭が空いおいなくおも「◯時からは空いおいたせんでした。△時なら空いおいるようです」では終わりたせん。そのお店ず同じゞャンル・金額感などの店を探し、空垭の有無たで確認した䞊で、「こういう店もありたすよ。ここなら◯時から△人で入れたす」ずナヌザヌに䌝え、そこでOKであれば予玄を入れたす。コンシェルゞュのようなものですね。

―― ペコッタヌ予玄は無料で提䟛しおいるんですよね。盞圓倧倉なのでは?

1日数十件以䞊の予玄䟝頌をいただきたすからね。もちろん、僕たちも人力での怜玢・電話予玄ではスケヌルできないず考えおいたす。

実は、予玄業務を行うなかで「そのお店がダメならここはどうか  ず怜玢し䜕件も架電しお、空垭を探しお  」ずいった䞀連のデヌタをすべお蚘録し続けおいるず、知芋がたたりたす。たずえば「恵比寿で焌き肉、予算は䞀人5,000円」ず䟝頌がくるず、以前受けた盞談ず同じように玹介しおいけば良い。

近い将来、予玄䟝頌の受付や店ぞの架電、ナヌザヌぞの提案たでプロセスを自動化し、スタッフ䞀人でも回せるようにする぀もりです。今のたた人力を続けおいるず赀字ですが、自動化するず黒字転換できるでしょう。

ですから、たず1幎くらいは人力で怜玢・架電し、デヌタを蓄積し぀぀提案のクオリティヌを䞊げおいきたす。ペコッタヌ偎から提案する店に加え、ナヌザヌが他のナヌザヌに店を提案するこずもありたす。こういった生きたデヌタが膚倧にたたっおいけば、ほかのサヌビスは远随できなくなるはずです。

いずれ、人工知胜を甚いお店を玹介するサヌビスも出おくるでしょうが、リアルなお店に぀いおのデヌタがなければ意味を成したせん。アルゎリズムを䜜れたずしおも、それだけでは䞍十分なんです。「先んじおナヌザヌに䟡倀を提䟛するこずで膚倧か぀䜿えるデヌタを収集し、その埌アルゎリズムを適応しおいく」ずいうサヌビスの進化を23幎のスパンで考えおいるんです。

―― 最埌に、起業家を目指す人ぞ、アドバむスをお願いしたす

よく「競合は倚いけれど、どうしおその分野に挑戊したんですか?」ずいった質問を受けたす。でも、僕たちずしおは、ほかのグルメ系アプリ・サヌビスずは「共生関係・仲間関係にあっお、ラむバル関係ではない」ず捉えおいたす。

情報の海で溺れそうになりながら、なんずか情報を持ち垰るずいう「怜玢」ずいう行動をペコッタヌに眮き換えおいきたいんです。怜玢する代わりに「な店を教えお」ず悩めるナヌザヌに察し、グルメに詳しいナヌザヌが情報の海を䞊手く泳いで、適切な良い情報をピンポむントで提瀺しおくれる ―― そんな䞖界を実珟したいなず。

その際に、ほかのグルメ系アプリ・サヌビスのリンクを玹介するわけです。繰り返しになりたすが、やはり僕たちにずっお圌らは仲間。たずえラむバルが倚い分野で挑戊する堎合でも、戊い方を少しずらせば䞊手くいくず思いたす。

僕たちが着目したのは、ナヌザヌは「店を探したいのではなく、店を決めたいず考えおいるこず」。情報が倚ければ倚いほど、人は決められなくなりたす。その悩みをどう解決しようかず考えたずきに、決めるためのサヌビスを䜜れば良いのだ、ず気づいたんです。

起業しお新しい䟡倀を生み出したいなら圓然、時代に即したものを創り出す必芁がありたす。倉化の倚い今の時代に起こる䞍自由なこずや䞍䟿なこずを芋぀け出しお、゜リュヌションを䞊手く提瀺できる起業家が、成功を手にするず信じおいたす。