iPhoneを使っているなら Apple Watch

「スマートウォッチの機能をバリバリ活用していきたい」「ダイエットまたは健康維持のためにスマートウォッチを使っていく」といった明確な目的ではなく、ぼんやりと「スマートウォッチを持ちたいな」と思っていて、かつ、iPhoneのユーザーなら、「Apple Watch」がお薦めだ。

Apple WatchはとにかくUI/UXが優れている。iPhoneとの相性のよさも抜群だ。説明書を読まなくても、iPhoneのユーザーであれば自然と使い出せるような仕掛けがいろいろと用意されている。iPhone持ちで最初のスマートウォッチを探しているなら、自然と最初の選択肢は「Apple Watch」になってくるだろう。

  • Apple Watch Series 7

    Apple Watch Series 7

Apple Watchは比較的サイズも小さく、ベルトも豊富も用意されているなど、女性にも向いている。その優れた操作性に加えて、極めて高い汎用性とアプリインストールによる拡張性を実現しており、スマートウォッチとしての汎用性は随一と言ってもよいかもしれない。iPhoneユーザーが最初に使ってみるスマートウォッチとしては、お薦めしやすいプロダクトだ。買って後悔したくないなら、Apple Watchを選んでおくというのはロジカルな選択だ。

Apple Watchが実現しようとしているのは「小さなiPhone」だ。小型iPhoneに心拍計測センサーを付けて腕に巻き付けられるようにしたものが「Apple Watch」だ。スマートウォッチとしては、価格も廉価または比較的リーズナブルで選びやすいモデルといえる。

しかし、これはApple Watchに限った話ではなく、スマートフォンを小型化するといったコンセプトのスマートウォッチに共通した特徴なのだが、バッテリー駆動時間が短いという課題がある。毎日使うとなると、1日1回は充電が必要になる。30分~1時間は充電時間にあてないといけない。運動中のモニタリングと睡眠モニタリングを毎日行うとなると、1日1回の充電では足りないこともある。

当面、この部分はどうにもならない。充電時間はリチウムイオンバッテリーの性能に依存するため、これ以上の劇的な改善は期待できない。Apple Watchのように、UI/UXがヌルヌルとスムーズに動くようなデバイスは電気もよく食う。充電なしで使うというのは考えられない。

また、ほかのスマートウォッチが提供している機能と比べると、Apple Watchの提供する機能はアプリに依存する面が強く、自動的に裏でモニタリングしておいてほしいといった使い方が難しかったり、それほど精度が期待できなかったりする。

iPhoneとの連携性の高さ、購入のしやすさ、オシャレな組み合わせの豊富さなど、最初の購入するモデルとしては、iPhoneユーザであればまずお薦めできる。Apple Watchでスマートウォッチを経験し、もっとこのデバイスのポテンシャルを引き出したいと思ったら、ほかのスマートウォッチを探って行ってもらえればと思う。

まずは廉価に、ともかく試したいなら「Fitbit」

「なにはともあれ、とりあえずスマートウオッチを使ってみたい」「まずはそれほど予算をかけたくない」という場合に、お薦めなのが「Fitbit Charge 5」だ。Fitbitはスマートウォッチの火付け役製品の一つであり、小型で廉価、まずは使ってみたいという人にお薦めできる製品だ。

  • Fitbit Charge 5 Black/Graphite

    Fitbit Charge 5 Black/Graphite

Fitbitのこのシリーズはスタイルがシュッと細く収まっていて円盤形の腕時計タイプのスマートウォッチよりも邪魔にならない。もちろん、小さいうことはそれだけ機能も操作も制限されることになるが、スマートウォッチを試してみたいという人には十分な機能を提供してくれている。スマートウォッチ歴が長い人もFitbitシリーズを選択する人は多い。最終的に行きつくところはスマートウォッチは価格ではなく「用途」であり、用途を満たすなら廉価なモデルで十分なのだ。

本連載では、基本的に最初の愛機にはフル機能が搭載されたフラッグシップモデルをお薦めしている。それはスマートウォッチの特性や特徴をつかんで今後の人生に生かしてもらうには、すべての機能を備えたフラッグシップモデルが必要という考え方がある。

しかし、この考え方には「予算」という絶対的な上限が存在する。たとえフラッグシップモデルが最も機能が多いとしても、価格が高すぎては買えないのだ。しかし、その場合はフラッグシップを調べてもらってから、そこからいらない機能を削っていき、残りの機能を備えたモデルを探すという選び方をしてもらえればと思う。

買う買わないにかかわらず、スマートウォッチを選ぶ際にはフラッグシップモデルを調べるところから初めてもらうのが、長期にわたって後悔しない選択ができるんじゃないかと思う。

ビビッときたなら、それが運命の愛機かもしれない

ここでは4つの候補を取り上げたが、スマートウォッチと言われる製品はこの限りではない。特定の用途に特化したスマートウォッチを含めればかなりのモデルが存在している。ここで取り上げた推薦候補は、あくまでも初めてスマートウォッチを買うビジネスマン向けという枠のものであって、これがすべてではないのだ。

例えば、Sunntoのスマートウォッチはアウトドア系として取り上げられることが多い。確かにそうなのだが、そのデザインはとても魅力的で、Sunntoのスマートウォッチを手に取って惚れ込んでしまったらそれを選ぶのもの大切だと思う。

スマートウォッチは「常に身に着けている」ことが一番大切なデバイスだからだ。自分が気に入ったものはずっと身に着けていやすい。気に入らないデザインのプロダクトを腕に巻き続けるのでは苦痛になりかねない。身に着けるものは気に入ったものにする。これはスマートウォッチを選ぶ上で、何をおいてもないがしろにしてはいけない部分なのだ。

デザインから選んだ場合、その次に「機能」について目を向けてもらえればと思う。身体のモニタリングを続けることは、健康維持の点において欠かすことができない。せっかくビジネスをするのだから、体の調子は常によい状態にしておきたい。スマートウォッチはそれを手助けしてくれる。

まずはスマートウォッチを手に入れて、その体験を楽しんでもらえればと思う。スマートウォッチを活用する段階になったら、本連載を参考にしてもらえたなら幸いだ。