最新のスマートウォッチ事情

本連載では2年半にわたって、ビジネスマンが活用するためのスマートウォッチを紹介してきた。スマートウォッチの使い方にフォーカスし、どの機能を使ってビジネスマンの健康なビジネスライフに役立てていけばよいかをまとめてきたつもりだ。

連載の最初のタイミングで、当時の技術レベルからビジネスマンにお薦めできるスマートウォッチを4つ取り上げた。あれから2年以上が経過した。スマートウォッチの技術進化はスマートフォンほど早いとは言えないが、それでもこの数年で注目すべき機能が搭載されたモデルも登場している。

今回は、本稿執筆時点で販売されているスマートウォッチの中から、これからスマートウォッチを買ってみようと考えているビジネスマンにお薦めのスマートウォッチ4選を紹介する。あくまでも参考程度の評価だが、もしどのスマートウォッチを買えばよいか迷っているなら、本稿を取っ掛かりにして調べ出してもらえたら幸いだ。

なお、最新のスマートウォッチが提供している機能に関しては「ビジネスマンに役立つ最新スマートウォッチの注目機能とは | TECH+」に情報がまとまっているので、スマートウォッチ探しをする際には合わせて参考にしてもらえればと思う。

イチオシ!「Garmin fēnix 7」

これからスマートウォッチを使い始めたいビジネスマンに最初にお薦めしたいのが「Garmin fēnix 7」だ。Garminはスマートウォッチメーカーとして日本で認知度が高い。

fēnix 7はGarminのスマートウォッチのフラッグシップモデルと位置付けられている製品で、Garminの有する技術が集約されている。スマートウォッチとして高級感のあるディテールで、チタニウムベルトのモデルやレザーベルトのモデルはスマートウォッチと気が付かないかもしれない。ビジネスマンのルックスにもフィットするプロダクトだ。

  • GARMIN fenix 7 Sapphire Dual Power Ti Carbon Gray DLC / Carbon Gray DLC Vented Titanium Band

    GARMIN fenix 7 Sapphire Dual Power Ti Carbon Gray DLC / Carbon Gray DLC Vented Titanium Band

  • GARMIN fenix 7 Sapphire Dual Power Ti / Chestnut Leather Band

    GARMIN fenix 7 Sapphire Dual Power Ti / Chestnut Leather Band

着け心地がよく、スポーツにも使いやすいのはシリコンベルトモデルだ。ビジネス中、シャワー中、就寝中、どんなときでも使用できる。

  • GARMIN fenix 7 Sapphire Dual Power Ti Carbon Gray DLC / Black

    GARMIN fenix 7 Sapphire Dual Power Ti Carbon Gray DLC / Black

ゴルフやアウトドアなど特定の用途に特化したモデルは、そのモデル限定の機能もあるが、それを除けば、fēnix 7はGarminが提供するほぼすべての機能を利用することができる。fēnix 7をお薦めする1つ目の理由はそこにある。スマートウォッチはモデルごとに利用できる機能が異なることが多い。廉価なモデルは購入しやすいが、必要な機能がないことも多いのだ。fēnix 7ならまずその心配はない。

そして、お薦めするもう一つの理由はバッテリーによる駆動時間だ。fēnix 7はスマートウォッチとしては駆動時間が長い。同列のプロダクトはバッテリーが100%の状態で3、4日から1週間程度の稼働時間になることが多いのに対し、fēnix 7は2週間、条件が良ければ3週間くらい使い続けることができる。これだけの機能を詰め込んだ現行のスマートウォッチとしては、かなりのロングランモデルに分類される。

スマートフォンに近い製品になると、1日に1回は充電しないとバッテリが0%になってしまうものが多い。使い続ければバッテリーは劣化が進みもっとバッテリーの保ちは悪くなくなってくる。日常使いする上において、スマートウォッチのバッテリーの保ちは大切なポイントだ。

fēnix 7には複数のエディションがあるが、特に「Dual Power」モデルがお薦めだ。このモデルには2つの太陽光パネルが搭載されている。1つはウォッチフェースのベゼル部分で、もう1つはウォッチフェースの透明なパネルそのものだ。この2つの太陽光パネルによって充電を補うことができ、さらにバッテリー駆動時間が長くなる。fēnix 7を選ぶならDual Powerを選んでおきたい。

fēnix 7が予算上、厳しい時は……

ただし、よいことばかりではない。fēnix 7はスマートウォッチの中でも高価な部類に入る。最新のスマートフォンやモバイルノートPCに匹敵する価格であり、エディションによってはその価格を上回ってくる。予算によってはfēnix 7を選ぶのは難しいと思う。

ただし、選択肢の出発点はfēnix 7にしておけばよいと思う。そこから不要な機能を削っていって、予算枠に収まるモデルを探せばよいのだ。

例えば、特に駆動時間の長さを優先したいなら「Garmin Instinct 2」といった選択肢もある。Instinct 2はfēnix 7よりもさらに駆動時間が長い。天候をうまく利用すれば1年間充電なしで使い続けることもできる可能性がある。スマートウォッチの性能を持ちながらこの長寿命はすごい。スマートウォッチの充電を気にしたくないなら、Instinct 2は候補としてありだ。

  • GARMIN Instinct 2/2S Dual Power - Mist Gray

    GARMIN Instinct 2/2S Dual Power - Mist Gray

スマートウォッチの機能は価格との相関性が強い。高価なモデルほど搭載している機能が多く、性能もよいことが多い。求めている機能がはっきりしているならそこから選べばよいが、まだ使ったことがないのであれば最初は奮発してフラッグシップモデルを選択することをお薦めしたい。

スマートウォッチの真価は実際に長期にわたって使ってみてわかってくるものだ。廉価だからという理由で選ぶと、自分の欲しい機能が搭載されておらず、スマートウォッチの便利さを知ることなく、使わなくなってしまう可能性がある。それではあまりにももったいない。