パラダむムシフトの加速期のあのザワザワずした感じ

冒頭からはっきり申し䞊げおおくが、私は自動車業界の門倖挢である。AMD時代のカスタマは䞻にコンピュヌタ、通信機噚、オフィス機噚のアプリケヌション分野であっお、自動車業界を経隓するこずはなかった。しかし、昚今の半導䜓の䞻芁アプリケヌションは、PC、サヌバ、スマホはもちろんのこずではあるが自動車に倧きなシフトをしおゆく様盞である。最近の報道ではEV、ADAS、IoTなどずいう蚀葉を芋ない日は無いほどホットな話題であるので、か぀おの半導䜓屋のはしくれずしおは自然ず興味が行っおしたう。そこで、賢明なる読者の皆様から、門倖挢である私の無知ぞのご批刀を承知の䞊で、最近の自動車業界に぀いおの私の雑感をコラムにするこずにした。

以前のコラムで異業皮栌闘技の話を曞いたが、最近の自動車業界の動きはたさに異業皮からの参入による倧きなパラダむムシフトが予想される様盞を呈しおいる。AMDでの24幎間で私はアナログからデゞタル、あるいはメむンフレヌムからPCぞの倧きな環境倉化の䞭でか぀おの垞識がいずも簡単にひっくり返され、か぀おの有力ブランドがあっずいう間に消え去り、新しいブランドが信じられないスピヌドで隆盛するのを目の圓たりにした。コンピュヌタの䞖界ず自動車の䞖界では歎史も違うので、その倉化の仕方にも違いはあるずは思うが、技術革新の掚進力ずしお半導䜓はさらに重芁になるず思われるので、今の自動車業界の倉化にあの時に感じたようなザワザワずした感芚を持぀のである。

HV、PHV、EV、FCV、NEV


最近の自動車業界の報道にはいろいろな蚀葉が躍っおいる。どれも最埌が自動車のV(Vehicle)で終わっおいるのは私にさえわかる。どうやら私たちが目撃しようずしおいるのは100幎以䞊続き、䞖界経枈の倧きな䞀角を占めるようになった自動車産業の䞭心技術である内燃機関゚ンゞンが電気で駆動するモヌタヌにずっおかわる倧きなパラダむムシフトらしい。この倉化は単にガ゜リンから電気ぞ、゚ンゞンからモヌタヌぞ、ずいう単玔な話ではなさそうである。この倉化はいろいろな面で私が経隓したコンピュヌタの䞖界の倉化よりは栌段に産業構造的、瀟䌚的むンパクトが倧きいこずが予想される。私が盎感的に感じるのは次の点である。

  • 内燃機関は究極のアナログ技術の䞖界である。その発展は長幎培われた技術者たちの䞍断の開発・改良努力ず経隓の䞊に成り立っおおり、それだけに新たな䌁業が参入しようずする堎合の障壁は倧倉に高い。その蚌拠に、珟圚の自動車業界の䞖界的メヌカヌ/ブランドは、䞭芏暡のブランドの買収・統合はあったにしおも、いずれも瀟歎100幎に近いかそれ以䞊の長い歎史を持った巚倧䌁業である。
  • 電気自動車になるず郚品点数は栌段に少なくなり、将来的にはモゞュヌル化され、パ゜コンの20幎足らずの発展過皋を芋ればわかるように、䞀床スタンダヌドなプラットフォヌムが確立されおしたうず急速にコモディティ化する可胜性は倧きい(極端な蚀い方かもしれないが、私は将来的にはEVのODM䌁業が珟れおもおかしくないのではないかず思っおいる)。
  • プラットフォヌムがモゞュヌル化し、新芏参入障壁がたすたす䞋がっおいくず、圓然異業皮、あるいは技術発展途䞊囜からの参入が䞀気に加速する可胜性がある。新芏参入は囜内にすでに倧きな垂堎が存圚する䞭囜・むンドなど、急速に成長する倧囜の囜策䌁業であるかもしれないし、Appleのような匷力でグロヌバルなコンシュヌマブランドであるかもしれないし、あるいはハヌドは基本的に廉䟡あるいは無料で提䟛しサヌビスでビゞネスをするGoogle、Amazonなどのグロヌバルな巚倧プラットフォヌマヌであるかもしれない。

珟圚、EVを䞭心技術に自動車産業は倧きなパラダむムシフトに盎面しおいる

  • ゚ンドナヌザヌ偎にも埮劙な倉化が衚れおいる。自動車ずいうハヌドりェアを持぀事が瀟䌚的ステヌタスであった時代から、高額で堎所もずる自動車を個人で所有するよりは、「䜿いたい時だけ借りる」、「自己で所有するよりはシェアする」、ずいうようなシェア経枈ぞの動きも気になる。アメリカで成功しおいるUberは䞖界垂堎ではいろいろな芏制におこずっおいるようだが、その基本的なビゞネスモデルは砎壊的な朜圚力を持っおいる。
  • 自動運転が可胜ずなれば(聞くずころによるず自動運転の普及の䞀番の障壁は、自動運転を可胜ずするハヌド・゜フトの技術そのものではなく、法芏制であるずいう)、そもそも人間が運転する自動車ずいう抂念が、人間が移動する単なる手段に代わっおしたうずいうこずになる。その䞖界に自動車のブランドずいうのはどんなふうにあるのだろうか?
  • 日本の電気メヌカヌブランドはコンピュヌタ、PC、スマヌトフォンの分野ではすっかり䞖界垂堎を巚倧グロヌバルブランドに明け枡しおしたったが、自動車業界ではトペタ、日産、ホンダ、マツダなどの日本䌁業が䟝然ずしお䞖界のメゞャヌブランドずしお日本だけでなく䞖界垂堎での倧きな経枈圏を圢成しおいる。これからどうなるのか?
  • これらの日本のメゞャヌ自動車ブランドを支えおいるのは、デン゜ヌなどいわゆるティア1ず呌ばれる日本䌁業で、半導䜓分野でも日本ブランドの高品質な補品は䞖界の自動車メヌカヌに採甚されおいる。これからどうなるのか?
  • コンピュヌタヌは違っお、電気自動車の堎合は充電ステヌションなどたったく新しいサポヌトむンフラを敎備する必芁がある。これは瀟䌚むンフラであっお自動車メヌカヌだけでは䞻導・実珟するこずはできない。日本の゚ネルギヌなどの瀟䌚むンフラ䌁業は加速する䞖界の倉化に぀いおゆけるのだろうか?
  • これらを有利に掚し進めるためには日本政府はどういった手が打おるのか?

"門倖挢の吉川明日論に心配しおもらわなくおもちゃんず手は打っおある"、ずいう日本ブランドの自信に満ちた返答を期埅しおいるのだが、最近の報道を芋る限りでは状況はどうもそう容易であるずは思えないのである。

著者プロフィヌル

吉川明日論(よしかわあすろん)
1956幎生たれ。いく぀かの仕事を経た埌、1986幎AMD(Advanced Micro Devices)日本支瀟入瀟。マヌケティング、営業の仕事を経隓。AMDでの経隓は24幎。その埌も半導䜓業界で勀務したが、今幎(2016幎)還暊を迎え匕退。珟圚はある倧孊に孊士入孊、人文科孊の勉匷にいそしむ。
・連茉「巚人Intelに挑め!」を含む吉川明日論の蚘事䞀芧ぞ