NTTファシリティーズは7月24日、本社オフィスにおけるリニューアル工事を完了し、共創スペース「FL@T」(読み方:フラット)を、NTTファシリティーズ本社内に新しくオープンしたことを発表した。
この発表に伴い、同社は説明会と内覧会を実施。説明会には、NTTファシリティーズ ファシリティソリューション本部ワークプレイスソリューション部門長の木村佐知子氏が登壇し、オフィス構築の背景や目的などを説明した。今回は、共創スペース「FL@T」を紹介しよう。
共創スペース「FL@T」とは
コロナ禍を経てリモートワークやオンライン化が定着し、社内外のコラボレーションの機会や場は大きく変化したことに伴い、オフィスやワークプレイスに求められる機能や要件も変化している。
こうした環境の変化を受け、NTTファシリティーズは「新たな価値を提供する場」としてのワークプレイスの在り方を見直した。必要な機能や要件を定義するため、アクティビティ分析や出社率データに基づき自社オフィスを最適化し、通常の執務エリアとして使用していた本社内の一部フロアを共創スペース「FL@T」として構築した。
この共創スペース「FL@T」は、社員ワークショップを通じて作成された「感じる、つながる、やってみる」というコンセプトをもとに設立されたもの。
全国の社員参加で決まったこの名称には、「音楽記号の『フラット(♭):半音下げる』のようにリラックスして新たな発想に出会える場」「誰もが気軽にふらっと立ち寄れ、気軽につながれる場」「フラットなコミュニケーションを通じて新たな価値を生み出す場」という想いが込められている。そして、ファシリティーズの「F」を取り入れつつ、場所を表す「@」で共創の場であることも表現しているという。
スペース内は「ワークラウンジ」「スタジオ」「ライブラリ」「1day-PJルーム」「レビュールーム」「ブレストルーム」「レセプションルーム」「カンファレンスルーム」「オフィスサポート」といったさまざまな活動目的に応じた部屋やスペースによって構成されている。
「『FL@T』は、社員だけでなく社外の協働者との共創を実現・支援することを目的に構築された空間で、イベント・ブレインストーミング・レビューなど、共創を生み出すさまざまな活動に対応する複数のスペースで構成されています。それぞれのスペースは、設計事務所・ワークプレイスソリューションの提供者ならではの視点を生かし、『共創とはどのような活動か』を改めて定義し、プロジェクトの特性やフェーズに応じた9つの共創シーンを設定し、それぞれに最適な空間を企画・構築したものになっています」(木村氏)
このような仕組みで作られている同スペースでは、2024年7月のプレオープン以降の約10ヵ月間で、300件以上の交流イベントや勉強会、タスク横断型の会議などが開催された。リモートワークやオンライン会議により減少していたリアルコミュニケーション創出の場として活用されているという。
AIブレストツールで効果的な会議運営を行う
さらに「FL@T」では、ICTを活用した共創支援にも注力している。
拠点間を接続し、離れた場所の共創パートナーと同じ空間にいるかのようにつながり、自然なコミュニケーションを実現するカメラ・スピーカー・マイク一体型のディスプレイとして「OPEN HUB Window」が導入されている。
本社、大阪オフィス、武蔵野研究開発センタ(DC Cooling Hub)の3拠点を接続して臨場感のあるコミュニケーションを実現するために導入された同ディスプレイ。関西拠点への表彰状授与などのバーチャル表彰式開催や東京と大阪をつないだイベントでのパネリスト登壇、懇親会といった場面で活躍しているという。
また特徴的な取り組みが「AIブレストツール」の導入だ。
AIブレストツールは、AIアバターにファシリテーションなどをサポートしてもらい、会議でのアイデアの量や質を向上させる会議支援ツール。参加者として発話してくれるAIアバター、会議の盛り上がりを可視化するグラフ、アイデアをイメージ化する画像生成などを備えている。
会議のアイスブレイクや最初の意見出しをAIが担当することで、会議参加者の思考時間を有効的に解消し、議論活性化させたり、議論テーマに沿ったアジェンダや検討視点の示唆することで参加者の会議進行を補助したり、効果的な会議運営を行うことができるようになったりしたという効果が出ているそうだ。
今後は、社内外の多様なステークホルダーとの協働を行いながら、「ワークプレイスにおけるAI・ICTなどのデジタル技術の新たな活用・実証」「快適かつ省エネを実現する空調自動制御など、自社技術の検証」「実フィールドでの測定などによるNEBs評価の精度向上」といった各種実証・トライアルの実施を行う。
さらに継続的なモニタリングによる改善・効果測定を実施するとともに、これらの知見をワークプレイス戦略に活用していきたい構え。





